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ホラー小説「フシギ」。先が読めない不気味さ!怖くて面白い!

ホラー小説「フシギ」。先が読めない不気味さ!怖くて面白い! ホラー
この記事は約5分で読めます。

真梨幸子さんのホラー小説「フシギ」の感想と解説を書きます。

Bitly

2021年1月発行。

この小説は本のサブスク「Kindle Unlimited(キンドルアンリミテッド)」で読みました。

Kindle Unlimited

真梨幸子さんの小説は初めて読みましたが、臨場感が凄くて他の小説も読みたくなりました。

不安感を煽る文章、不気味でスリルある小説でした。

gao the book
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amazonでの評価はそこまで高くないようですが、個人的にはかなり楽しめました。おすすめの作品です。

「フシギ」のあらすじと感想

ホラー小説「フシギ」のあらすじと感想を書きます。

重要な部分のネタバレはしていないですが、結構内容を書いていますのでご注意ください。

「フシギ」のざっくりあらすじ

主人公は「私」。デビューして24年の作家。

ある日、ヨドバシ書店という出版社から執筆依頼を受ける。

ヨドバシ書店は出版不況の煽りを喰らって倒産寸前だったが「霊感ダイエット体操」なる本でヒットを出し甦る。

新しい出版社との取引は何かと面倒が多いので断ろうと思っていたが、編集担当の尾上まひるからメールが届く。

「マンションMの話を聞いてもらいたい」という内容だった。

マンションMは尾上まひるが学生時代の頃に住んでいた。主人公の「私」も住んだことがあり(しかも全く同じ401号室)、昔から曰く付きの物件でもあった。尾上まひるも主人公もマンションMでは不思議な霊体験に遭遇していた。

結局、そのメールの誘いで興味もあり会って話をすることに。

執筆依頼はマンションMに住んでいた人たちがどうなったかを調べそれを小説にしてほしい、というものだった。

このエピソードを発端に、さまざまな気味の悪い話が続いていきます。

「フシギ」の感想

この小説は章ごとに分かれていますが、全て物語は繋がっています。

ただ、断片的な話が多く、登場人物は違うものの似たようなエピソードが重なるので、読んでいて結構混乱しました。読み終わった後に気づきましたが、「読者を混乱させる」のが著者の狙いなのかな?とも感じました。

  • 犬神という呪いの儀式
  • 事故物件のマンションM
  • 事故物件の直角三角形のマンション
  • ウェルテル効果
  • 「骨噛み」という不気味な風習

などなど、さまざまな話が絡み合って物語は不気味さを増します。

ホラー要素も強く、個人的にはかなり面白い小説だと思います。

ホラー小説「フシギ」で気になった部分について

「フシギ」で気になった部分を解説してみたいと思います。

ほんのちょっぴりネタバレ要素を含むかも知れません。

呪いの儀式「犬神」

犬神という呪いの儀式が登場します。

蠱毒という呪術がありますが、犬神はその犬バージョンの呪術だとか。

蠱毒とは…古代中国の呪術の一種。毒虫や爬虫類、小動物を狭い容器に閉じ込め、互いに殺し合い、食い合いをさせることで、最後に生き残った一匹を「蠱」として用いる呪術。

他の作家さんの作品ですが、ホラー小説「なまなりさん」では犬蟲(けんこ)と書いていました。犬蟲は四国発祥の呪いの儀式で、犬神とは呼び方が違うだけなのかも知れません。

呪術としては最強クラスの威力があるそうですが、「フシギ」では犬神には取り憑いた人を呪い殺すだけでなく、願望を成就させる効果もあると説明がありました。

実際に犬神に取り憑かれた登場人物は自身の願いが叶っていました。

願いを成就するためにあえて犬神の呪いを受けることもあるのだとか。

事故物件に住むと運気が上がる

これも少し犬神と似た話ではありますが、幽霊が出るような事故物件に住むと運気が上がる場合があるのだとか。

事故物件住みます芸人の松原タニシさんも、事故物件のおかげで売れたのでそう考えると間違いではないかも知れません。まあ、成功例が1人だけですが 笑。ちなみにタニシさんは事故物件に住むようになって女性物の衣装を着るようになったらしい。確かに服装がおばちゃんですよね。面白い。

呪いとは逆の幸運なことも訪れるというのが興味深いです。

家や社屋を新築、移転すると不幸が続く

家や社屋を新築、移転すると当分は不幸や不運が続くという噂があるらしい。

例として山一證券も新社屋にした途端に経営が傾いて倒産したのだとか。

引っ越すことで溜まっていた運気が一旦0になり、不幸や不運に対して無防備で影響が出やすいらしい。

ほんとかどうかわかりませんが、こういうエピソードも面白かった。

その他にも

負の連鎖が起こる「ウェルテル効果」の話。

戦後は人の髪の毛を原料に醤油を作っていた。という嫌な話。

「骨噛み」という不気味な風習の話。(遺体を焼いて残された骨を、家族や親族が食す)

などなど、こういった細々した不気味で嫌な話が物語の気持ち悪さに一役買っていました。

まとめ

最後の章で色々と不明だった点や、この小説は著者の実話なのか?それともフィクションなのか?そのあたりもわかってホッと安心しました。

とにかく読んでいて謎が多く、ふわふわとしたした混乱と不安が半端なかった 笑。

終盤にオチというか謎が明らかになるんですが後味はあまり良くないです。そういう意味で評価が低かったのかも知れません。

さまざまな心霊関係の話、呪いの話が非常に面白く、しかも謎が多いので終盤までの方が個人的には楽しめました。

ホラー小説好きの方はぜひ読んでみてください。

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