呉勝浩さんの小説「法廷占拠 爆弾2」の感想・考察・解説。

この小説はAudible(オーディブル)で聴きました。
小説「爆弾」の続編です。スズキタゴサクや「爆弾」で登場していた警官たちも登場します。
スリリングでスピーディーな展開が最高でした。
オーディブル版のナレーションは前作に引き続き、星祐樹さんと品田美穂さん。相変わらず素晴らしい朗読です。
オチを書いたりネタバレはしていませんが、内容をある程度書いていますので、その点はご了承ください。

スズキタゴサクがやっぱりなんだか憎めない!
小説「法廷占拠 爆弾2」のあらすじ
連続爆破事件から1年以上が経過。スズキタゴサクの裁判は続いていた。
タゴサクのファンが多く、公判の傍聴席は毎回満杯に。「ノッペリアンズ」なるタゴサクのファン集団まで生まれた。
5回目の公判に証人として呼ばれた倖田沙良と伊勢。
この裁判中に、拳銃と爆弾を持った二人の若者に、あっという間に占拠されます。
主犯の名は柴咲奏多。
100人の傍聴者を人質に、柴咲は警察にさまざまな要求を投げかけます。
前回も活躍した特殊班捜査一課の類家。猿橋、矢吹、類家の上司の高東たちは無事、人質たちを救出できるか?
という物語です。
前回と同じくかなりスピーディーな展開で、面白くて読み始めたら止まらなくなります。
終盤は続編がありそうな形で終わるので、次作があるかどうか不明ですが、楽しみです。
小説「法廷占拠 爆弾2」の登場人物
小説「法廷占拠 爆弾2」の主な登場人物を書きます。
警察側の人たち
- 高東…37歳。特殊犯捜査第一係係長。前作の清宮の後任。
- 猫屋…高東の部下。盗聴器を仕掛ける。
- 類家…警視庁捜査一課。特殊班の刑事。高東の補佐をする。
- 倖田沙良…池袋署の巡査。前作では現場の爆弾を探す。
- 矢吹泰斗…池袋署の巡査。倖田の3つ上の先輩。前作では倖田と一緒に捜査をしていたが大怪我をする。
- 伊勢…野方署の警官。矢吹とは同期。前作ではタゴサクの取り調べの調書の書記係をしていた。
- 猿橋…筋肉質な警官。倖田からは密かにラガーさんと呼ばれる。前作では倖田と一緒に現場の爆弾捜査をしていた。
- 立花…警視庁捜査一課強行犯係の班長。
犯人側の人たち
- スズキタゴサク…前作で逮捕された爆弾魔。今作では公判中。
- 柴咲奏多…20歳。今作で法廷を占拠した犯人。タゴサクの爆弾の被害に遭った、遺族者の会に所属。
- 新井啓一…20歳。柴咲の友人。過去にはオレオレ詐欺をしていた。
- 湯村…70歳過ぎ。タゴサク遺族者の会に所属。
他にもノッペリアンズの人物たちも登場。
小説「法廷占拠 爆弾2」で良かったところ
スズキタゴサクと柴咲の会話が面白い
主犯の柴咲の父は、タゴサクの爆弾の被害に遭い亡くなっています。柴咲は遺族者の会にも所属しています。
しかし、柴咲は父を「ろくでもない人間だったので死んでくれてよかった」と言う。
そこまでタゴサクを恨んではないものの、タゴサクは拘束されていても無駄口を叩きまくるので、暴力で黙らせます。
タゴサクは柴咲にかなり殴られますが、それでも無駄口が止まらず。
柴咲は真剣なのに、タゴサクはおちょくってるような発言ばかり。緊張と緩和の落差があって、この二人の会話がかなり面白いです。
またも現場で頑張る猿橋(ラガーさん)
前作では現場の爆弾捜査で走り回った猿橋(倖田沙良からは心の中でラガーさんと呼ばれている)。
今回は柴咲の家に行き、部屋にあった爆弾らしき装置の見張り役をします。なんでこんな仕事ばかりなんだと、自分の運命を恨む。
途中、柴咲の母に電話をして仕掛けられていた爆弾を爆発させてしまったり、かなり悲しい役回り。
類家は新しい上司の補助役に
今作では、類家は新しい上司の元、補助役で登場します。
前作で上司だった清宮は他の部署に移動(身を引いた)。清宮本人は登場せず、ちょっと残念。
新しい上司の高東に対しても、類家は相変わらず生意気な態度を見せます。
タゴサクの思考回路を知っていることで、後半は特に活躍します。
倖田沙良の活躍が目覚ましい
倖田沙良は今作の主人公と言ってもいいかも知れません(というより主人公かな?)。
最初から最後まで活躍します。
ただ、柴咲にかなり痛い目に遭うので(肉体的に)、なかなか読んでいてしんどかったです。
ちょい脇役の伊勢と矢吹もよかった
同期の伊勢と矢吹。前作からライバル関係でしたが、今作では二人のファインプレーがあります。
大怪我をしていた矢吹も、今作では現場復帰していてそこもホッと一安心。
まとめ
主犯の柴咲は、かなり綿密に計画を立て、裁判所の制圧を圧倒的な手際の良さと冷酷さでこなします。20歳の若さで、犯行のベテランのようなこの動き。もはや天才と言ってもいいかも。
前作ではタゴサクが世の中の不平等さを問題提起していましたが、今作では柴咲が死刑囚が死刑執行されないこと、自分が受けた理不尽なことについて、かなり饒舌に問題提起します。
序盤こそタゴサクは登場しますが、途中からほぼ離脱。今回はタゴサクはサブキャラかな?と思っていましたが、終盤に活躍します。そこでの柴咲とタゴサクのバトルも見どころです。
前作の「爆弾」が好きな方は、続編の本作も楽しめると思います。
Audible(オーディブル)では今作と前作の両方を聴き放題で聴けます。最初の30日は無料で契約できるのでぜひ。

前作「爆弾」も感想を書いています↓



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