実話怪談を100話集めた短編集「怪談狩り」の感想と考察です。
電子書籍版は2016年6月発行。
この本は本の読み放題サブスクKindle Unlimited(キンドルアンリミテッド)で読みました。
シリーズで続編がたくさんあります。本書はその第一巻です。
短編と言っても本当に短くて3〜6ページで終わる話ばかり。ショートショートのホラー版という感じでしょうか。
実話をもとにしているので、わざわざ原因や理由などを探ったりはしていません。そのあたりはリアルでまあそうだよなあと思います。ある意味投げっぱなしで物語が終わります。
1話が短くさらっと読めるので、束の間にゾクっとしたい方におすすめ。
実話系のホラーの短編集は今では他の作家さんもたくさん書いていますが、「怪談狩り」の著者の中山市朗さんは短編ホラー小説の火付け役と言っても過言ではありません。
「怪談狩り」100の怪談。個人的に興味深かった話などをざっくりとご紹介
実話が100話ありますが、実際には続き物が割とあります。途中で話を切り上げて2話目3話目にしているものもあるので、ちょっとずっこい。
それはそれとして、続き物の話は面白くて怖いものが多かったです。
著者の中山市朗さんはテレビにも出演していたそうで、テレビ出演に関する話も面白かった。
個人的にちょっと気になった話をざっとですがご紹介します。
- 妖怪のいったん木綿が出る話
- うどんの出前の注文を受け、届けに行くとのっぺらぼうに出会う話
- 登山コースにある山小屋、そしてそこにあった自動販売機の話
- 仏壇の蝋燭が奇妙な揺れ方をする「昇り竜」の話
- 幼馴染がお店をオープンしオープン告知のハガキが届く。7年が経過してしまったが、やっと行ける機会を見つけてそのお店に行ってみたが…という話
特に著者が直接体験した話はやはり臨場感があって怖かった。
著者の中山市朗さん、ショートショートのホラーについて
この本を読むまで気づかなかったのですが、中山市朗さんはホラー短編集の「新耳袋」を書いた方でした。
新耳袋は好きで昔よく読んでいましたが、著者のことは記憶していませんでした ^^;
新耳袋は実写版のドラマや映画にもなっているくらいに話題作です。
怖くて楽しめますのでドラマや映画を知らないホラー好きの方はぜひチェックしてみてください。
中山市朗さんは実話短編集ブームの火付け役と言っても過言ではありません。
僕は並行して平山夢明さんの実話ホラー小説もよく読んでいました。
それから、阿刀田高さんのショートショートもよく読んでいました。阿刀田高さんはホラー作家ではないですが、ホラー系のショートショートも記憶にあります。
平山さんや阿刀田さんもショートホラーの名手ですが、やはりブームの火付け役は中山さんの「新耳袋」だと思います。
ホラー版ショートショートは昔から馴染みがあったので、今作の「怪談狩り」も楽しめました。
Kindle Unlimitedでは「怪談狩り」の続編もたくさん読めるので、好きな方はチェックしてみてください。
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