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「パーティーが終わって、中年が始まる」の感想。倦怠感がすごい。

「パーティーが終わって、中年が始まる」の感想。倦怠感がすごい。 Audible
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phaさんの「パーティーが終わって、中年が始まる」の感想・考察・解説。

パーティーが終わって、中年が始まる (幻冬舎単行本)
定職に就かず、家族を持たず、不完全なまま逃げ切りたい――元「日本一有名なニート」がまさかの中年クライシス⁉赤裸々に綴る衰退のスケッチ「全てのものが移り変わっていってほしいと思っていた二十代や三十代の頃、怖いものは何もなかった。何も大切なもの...

2024年6月発刊。

この本はAudible(オーディブル)で聴きました。

「頑張らない」「定職につかずふらふらと自由に生きていたい」。そんな生き方をしてきた著者が40歳半ばになって感じたことを書いたエッセイ。

本のカバーに「衰退のスケッチ」と書いている通り、同年代なら一定の共感も得られますが、読んでいると気持ちが暗くなるので要注意です。

gao the book
gao the book

phaさんの「ニートの歩き方」という本が衝撃的で、以降はX(旧Twitter)をフォローして日々の生活を追っています。こういう生き方をしてる同い年の方がいるとやっぱり気になっちゃう。

シェアハウスは、20代30代の若い頃だからできた?

phaさんは「ギークハウス」というシェアハウスの発起人(管理人)で、若者が集まるシェアハウス文化を作った第一人者的な存在だと勝手に思っています。

低収入(もしくは無職)でもシェアハウスで自由に生きる。こういう生き方が注目された時代がありましたが、今はだいぶ落ち着いてるのかな。

家賃を折半する意味合いでのシェアハウスは今でもたくさんあると思いますが、若者がシェアハウスに集まってある種の文化を作る、みたいなことは近年あまり聞かなくなりました。

とは言え、日本の経済状況がどんどん悪い方向に向かっているので、またシェアハウスのブームは来そうな気もしています。

ずっと何も背負わない自由な状態でいたかった。お金よりも家族よりも社会的評価よりも、とにかく一人で気ままに毎日フラフラしていることが自分にとって大切だった。だから定職にもつかず家族も持たずシェアハウスにインターネットで知り合った仲間を集めてあまり働かずに毎日ゲームとかをして暮らしていた。世間からダメ人間と見られても全く気にしていなかった。いつまでこんな感じでやっていけるのだろう。

パーティーが終わって、中年が始まる

phaさんは結局、ギークハウスを手放して、現在は一人暮らしで本業の作家と、兼業で書店員として働いているそうです。シェアハウス住まいでもなく、ニートでもなくなったんかーい!

40代半ばになって感じたこと

40代半ばになって「楽しさを感じなくなってきた」と書いています。これすごくわかる。何か新しいことをしないといけないんだろうな、と思いつつなかなかそれもできない。

40代半ばになった今、何をするにも足が重たくなってきた。

パーティーが終わって、中年が始まる

歳をとることによって、周りに年下の人間が増えてきたというのが一番効いているかも。ダメ人間だと気楽に言えなくなってきた。

パーティーが終わって、中年が始まる

おじさんになって自分でダメ人間と言うとシャレにならない。若い頃だけに許された言葉の一つ。

20代のダメはファッション的なダメ。40代は本当にダメだった。

パーティーが終わって、中年が始まる

40半ばにもなると、人生の中で若い時間は短いことを実感します。若い頃から言葉としてもちろん理解はしていましたが、実際に歳を取ってみるとヤバいですね。おじさんになってからの方が長いのよ人生。


下り坂の方が長いことにうんざりしてきている。

パーティーが終わって、中年が始まる

それから、若い頃は一人で遊ぶことが好きだったが、近年は楽しく無くなってきたのだとか。だから、みんな家庭を持ったり、子供と接したりしているんじゃないかとの考えに至る。

仕事時間に驚き

40代になって集中できる時間の短縮についても書かれていました。

phaさんは1日1時間半(頑張れて3時間)くらいしか仕事に集中できないとか。

僕も集中力が弱くなっていると感じていますが、にしても仕事量が少なくてこの時間で生活できるなら、これは羨ましい。おそらく執筆時間のことだとは思いますが。

文筆活動は発想やネタが重要なので、遊んでいる間もある意味ネタ探し。職業的にそれでも成り立つのはすごい。

「パーティーが終わって、中年が始まる」の個人的な感想

シェアハウス時代の生活の話は面白く刺激がありましたが、現在は一般の人とそう変わらない生活をしているので(作家という職業は稀有ですが)、現在進行形の話はいまいち入って来ませんでした。

過去の本もそうですが今作も文章が非常に読みやすい。この文章の読みやすさは、いざ自分が書こうと思っても書けそうでなかなか書けない。

シェアハウス時代の自由な生き方は、社会に馴染めない人にも共感を得ていたと思います。僕もこんな生き方があるんだと衝撃を受けました。ある種のブームを生んだ人の40代50代はどうなっていくのか、これからの生き方が気になります。(それよりも僕は自分の人生なんとかせないかんけども…)

余談ですが、僕はゆらゆら帝国というバンドが好きで、同い年というのもあるのかphaさんも好きなバンドのようです。

このエッセイを読みながら、ゆらゆら帝国の「パーティーはやらない」という曲がついつい頭の中に流れました。

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