当ページのリンクには広告が含まれています。

伊坂幸太郎さんの小説「ペッパーズ・ゴースト」の感想と考察

伊坂幸太郎さんの小説「ペッパーズ・ゴースト」の感想と考察。集大成と言われる名作。 Audible
この記事は約3分で読めます。

伊坂幸太郎さんの長編小説「ペッパーズ・ゴースト」をオーディブルで聴きました。感想と考察を書きます。

Bitly

2021年10月発刊。オーディブル版は2021年10月から配信開始。

オーディブルでのナレーションは岡井カツノリさんと三木美さんの2人が担当。1つの小説に2人のナレーションが担当するのは珍しくて豪華です。二人とも声優の方です。

本も良いですがオーディブルも素敵でした。

Audible(オーディブル)

gao the book
gao the book

さまざまな物語が一つに交わる時、物語は最高潮に盛り上がる。伊坂幸太郎さんの小説の真骨頂ですね。この作品は大きく3つの物語が展開して途中から少しつず交わっていきます。伊坂小説の集大成と呼ばれるほど評価が高い作品。

小説「ペッパーズ・ゴースト」のざっくりあらすじ

小説「ペッパーズ・ゴースト」のあらすじを簡単にネタバレはしない範囲で書きます。

主人公は中学の国語教師の檀(だん)。檀には普通の人間にはない特殊能力がある。

後天的に身についたもので、どうやら父にも同じような能力があったらしい。

「コロナの飛沫を浴びると、浴びせた人の未来が見える」というもの。

檀本人は先行上映と名づけている。

このワンダフルな能力がこの小説のスパイスに。

もう一つ小説のスパイス(というかここが一番盛り上がる)として存在するのが、猫を愛する2人組ロシアンブルとアメショー。この二人は檀の生徒、布藤鞠子(ふとうまりこ)の自作小説にのみ生きている、というワンダフルさ。

ロシアンブルとアメショーは、過去に猫の虐待配信をしていた関係者たちに対して復讐を行う。

ロシアンブルは心配性で「もうおしまいだ」が口癖。対してアメショーは楽観的。アメショーハラショー松尾芭蕉(自己紹介)。

この二人は伊坂幸太郎さんの小説「マリアビートル」に登場する最強の2人組の殺し屋、蜜柑と檸檬を彷彿とさせます。ロシアンブルとアメショーも格闘経験がありめっぽう強い設定。

この小説は章ごとに登場人物の視点が切り替わります。

檀、ロシアンブルアメショー組、そして3つ目の軸に成海彪子(なるみひょうこ)がいます。

成海彪子は爆弾テロ事件「カフェダイヤモンド」で父を亡くしている。爆弾テロ事件の被害者たちが募ったグループに属していて、このグループが3つ目の軸に。

成海彪子の父はジャッキーチェンが好きで、その影響でカンフーを体得。このアクションシーンがこの小説の3つ目の見どころ(スパイス)。

この3つの物語が段々と交わっていき、話が盛り上がっていきます。

小説「ペッパーズ・ゴースト」の個人的な感想

「ペッパーズ・ゴースト」は面白い?つまらない?と聞かれれば面白いと答えます。

本の評価も軒並み高評価のようです。

この小説にはニーチェに関する話がよく出てきます。あとがきに著者が書いていましたが、ニーチェの本を久しぶりに読んで、この小説を書く発端になったようです。

それから楽天イーグルスも割と出てきます。伊坂さんって野球が好きなのかな?野球選手がメインの小説も書いてたし。楽天イーグルスも他の小説でも何度か出てきた記憶があります。(ちょっと自信ないけど)

地元が仙台なので仙台ネタがよく登場するのも伊坂ワールドの一つの魅力ですね。

「ペッパーズ・ゴースト」は伊坂さんの小説が好きな方は安心して楽しめるはずです。

コメント