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ビジネス書「タピオカ屋はどこへいったのか?」の感想と解説。

ビジネス書「タピオカ屋はどこへいったのか?」の感想と解説。 ビジネス書
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菅原由一さんのビジネス書「タピオカ屋はどこへいったのか? 商売の始め方と儲け方がわかるビジネスのカラクリ」の感想・解説・考察を書きます。

Amazon.co.jp

2024年2月発行。

この本はKindle Unlimited(キンドルアンリミテッド)で読みました。

著者の菅原由一さんは税理士の方でYouTuberとしても活躍されています。

「タピオカ屋はどこへいったのか?」というタイトルがいい。

僕の記憶ではタピオカブームはもっと前にも一度あったのを覚えています。

白い鯛焼きとか、唐揚げ屋とか、高級食パンとか、最近だとハンバーグ屋さん(生っぽいやつ)もありましたね。

こういう商売のカラクリが気になって読んでみました。

gao the book
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さまざまな商売のカラクリが書かれていて面白かった。ビジネスには人間の心理学もよく使われているようです。

ビジネス書「タピオカ屋はどこへいったのか?」の内容

「タピオカ屋はどこへいったのか?」の内容について簡単にご紹介します。

税理士の菅原由一さんが、巷でよく見かけるビジネスのカラクリを説明したり、さまざまな商売の裏について書いています。

章ごとの最初に漫画が数ページ入っていてこのカジュアルな感じがいい。

僕はフリーランスで仕事をしていますが、一人でもできることで参考になる部分もありました。

仕事に活かすかどうかは別にしても、単純にこういうビジネスの話は面白いですね。

タイトルにあるタピオカ屋の商売のカラクリ

タピオカ屋のブームは実は3回あったらしいです。

近年タピオカ屋さんが流行った理由は「映えフード」としてマッチしていた

単純なモノの消費だけでなく、SNSの「映え」というコトとしての価値があった

とのこと。

また、商売の定番方法「社会の変化を捉え、ブームに飛び乗ること」に従っていた。一気に儲けてブームが去るとすぐに畳む。この繰り返しで儲ける商売方法らしい。

こういう商売は、最初からその気でやらないと難しそう。ある程度の開店資金も必要ですし、何かこうある種ドライというか、儲けに徹底した方法というか。まあ、ビジネスなので儲けないと意味ないですもんね。

個人的に気になったあれこれ

立ち飲み屋

最近の立ち飲み屋は若い女性客が多いらしい。「隙間時間」を有効活用できるのでウケているとのこと。

タイムパフォーマンスを略した「タイパ」という言葉も最近よく目にします。時間を無駄にしたくない、短時間で気軽に誘える立ち飲み屋がうまくハマっているようです。

コンビニ

日用品も置いていてコンビニで必要なものがだいたい揃う。わざわざ他のお店に行かなくていいという便利さにコンビニの価値があるそうです。

多少値段が高くても便利さが勝るので商売として成り立つ。

僕はコンビニは本当に10年くらい利用していないですが、利用する人にとっては便利なんでしょうね。なるほどなあ。

カスタマイズに魅力

ラーメン屋の麺の硬さ、油の量など「選べる」ことが売れる理由に。

カレーだとCoCo壱番屋は昔からそういうシステムですね。

こういうカスタマイズ対応は手間と時間を要しますが、利用者の満足度が高いので、リピートが増え安定して商売として成り立っているようです。

自分が何か仕事を始めようと思った際に、一つの方法として考えてみる価値はありそうです。

サードプレイスを求めている

サードプレイスという概念を提唱したレイ・オルデンバーグというアメリカの社会学者によれば、現代社会においては「サードプレイス」を持つことが人生の満足を高めることにつながります。

タピオカ屋はどこへいったのか?

このサードプレイスという考え方は僕自身もなんとなく気づいていて、15年くらい前から会社の同僚にも勧められていました。

会社と自宅、それ以外の場所を持っているとメンタルにいい。だから何かグループでできるスポーツだったり、レクレーション的な集まりの場所を持つといいですよと。

本の中ではこのサードプレイスを例にスナックを紹介していました。お得意の居酒屋とかでもいいんでしょうね。

ビジネスをするなら、そういう場所を提供できる仕事をやってみるのも良いかもしれません。

小さな市場で勝ち抜く

フリーランスの方や中小企業は、この小さな市場で勝ち抜く方法は効果がありそうです。

大手と真っ向勝負をしてもまず勝てないので、

  • 戦う場所を限定する
  • 相手を限定して一騎討ちに臨む
  • 広域戦ではなく接近戦にする
  • 一点集中で戦う

などが書かれていました。

マニアックでニッチな商売は需要は小さくなるものの、競合が減り専門性を武器にして戦える、という戦法。

スマホゲームの課金率

無料で遊べるスマホゲーム。近年は全体的にかなり売り上げが落ちているようですが、どれくらいの人が課金しているのか気になっていました。

95%の人は無料で遊んでいて、残り5%は有料サービスを利用しているようです。

コアなファンを作ることができれば事業として成立できるとのこと。

ただ、おそらくスマホゲームはこれからも縮小傾向だと思いますので、どこかで見切りをつけていく必要はあるだろうなとは思います。

フリー戦略は昔からありましたが、この方法もある程度体力(資金)がないとなかなか難しそうだなあ。

値段を高くすることによる効用

高級寿司店は予約がいっぱいなことを例に、値段を高くすることの良さが書かれていました。

値段を高くすることによって満足度が高まる理由は利用者の心理と関係しています。
人は基本的に自分の判断を正当化したいと考える心理が関係しています。高い店で食事をした場合、「高いのだから良い店であるはず」と思い込みやすくなります。
これは心理学で確証バイアスと呼ばれます。確証バイアスは、自分の思い込みを裏付ける情報を無意識に集めることで、合理的な判断がしづらくなることを指しています。

タピオカ屋はどこへいったのか?

他にも手に入りづらい商品だったり、行列で並んで食べた食事など、苦労して手に入れることに価値を見出す傾向になるのだとか。確証バイアス怖いなー。

携帯電話の契約はなぜ分かりづらいのか

携帯電話の契約はプランが様々あってややこしいですよね。

一度契約すると乗り換えが面倒なので、あえて契約や解約を難しくしているらしい。

スイッチングコストという言葉を使っていました。

携帯電話の会社からしてみれば、毎月定期的な収入が見込めるので、安定して会社を経営できます。他に乗り換えさせないようにずる賢いぜ!

観光地のお土産店はなぜ儲かるのか

消費者の財布の紐は、特別感のある状況で緩みやすくなり、特別感のない普通の日は引き締まる

タピオカ屋はどこへいったのか?

いやー、これすごくわかりやすい。ほんとそうだよなあ。


他にも

  • 無人の餃子店がなぜ儲かるのか?
  • スポーツ選手のスポンサーは健全な広告になりうる
  • 1個80円のコロッケ屋がやっていけている理由
  • コンビニが道を挟んで向かいにもある。それでも経営が成り立つ理由
  • レンタル(シェア)の仕事が伸びてきている話
  • ネット販売よりも実は店舗販売の方が伸びてきている話

などなど非常に面白かったです。

著者も普通の税理士ではダメだと思ったらしい

著者も色々と悩んでいたらしい。

税理士もたくさんいるので、その中でいかに自分のポジションを取っていくか必死に考えた。

中小企業のコンサルティングもすることで、うまくハマったらしい。

さらにYouTubeで経営に関するチャンネルを開設して、税理士としてもコンサルタントも問い合わせが増えたとのこと。

まとめ

経営に関する本を読むと人間の心理学を利用していることが多いですね。

それから、やっぱりお金儲けが上手な人は頭がいい。ずる賢いというか。

僕はデザインの仕事をしていますが、結局デザインもいかに頭を使うかという点がかなり重要だと感じています。いいアイデアが思いつけばもうそれだけで勝ち、みたいなとこあります。

仕事に全く活用する気がない人でも面白い本ですし、これから起業を考えている方はかなり参考になる一冊だと思います。

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