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浅倉秋成さんのミステリー小説「六人の嘘つきな大学生」の感想と考察

浅倉秋成さんのミステリー小説「六人の嘘つきな大学生」の感想と考察 Audible
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浅倉秋成さんのミステリー小説「六人の嘘つきな大学生」をオーディブルで聴きました。感想と考察。

https://amzn.to/3S578vI

2021年3月発刊。オーディブル版は2022年5月配信開始。

Audible(オーディブル)

人気作のようで2024年11月に実写映画が上映されるようです。

この物語は映画にしやすそう。

gao the book
gao the book

ミステリー小説ということで一応頑張って推理しながら読みましたが、全然見当違いで、裏切りに続く裏切りに会いました 笑。

ミステリー小説「六人の嘘つきな大学生」のざっくりあらすじ

ざっくりあらすじ

新進気鋭の企業スピラリンクスの新卒採用に挑む6人の大学生。

スピラリンクスはスピラというSNSが話題になり急成長中の会社で、先鋭的でトリッキーな会社として知られている。

採用されれば月50万円の給料をもらえる。

スピラは現実世界で言うとX(旧Twitter)にそっくりなSNS。何年か後にリンクスという通話とメールアプリもリリースする。リンクスはLINEとそっくり。

スピラリンクスの採用試験では、5,000人もの応募者の中から何人かが最終面接に残った。

6名が1つのグループになり、他のグループとディスカッションをして評価が高ければ6人とも晴れて採用となる。

主人公たち6人は一致団結するためにミーティングを開いたり、飲み会をしたり仲間意識を高める。

ところが、スピラリンクスからメールが届き、6人の中から1人だけ採用する、という採用方式の変更を告知される。

今まで仲良くやってきたのに急に敵になる。誰が採用を勝ち取るのか、という物語。

ついつい漫画の「あずみ」や「バトルロワイヤル」を思い出してしまいました。

6人の登場人物

6人とも有名な大学に在籍。優秀な学生ばかり。

波多野祥吾(はたのしょうご)

主人公。散歩が趣味。普通のいい人。普通オブ普通を目指す。嶌衣織(しまいおり)に恋をしている。

九賀蒼汰(くがそうた)

イケメンで知性を感じる話し方。カリスマ性がある。

袴田亮(はかまだりょう)

元野球部の部長。体育会系で豪快。リーダーシップも抜群。

嶌衣織(しまいおり)

清純派美少女(波多野から見ると)。プロントでバイトもしている。

矢代つばさ(やしろつばさ)

モデルのようなルックス。ファミレスでバイトをしている。

森久保公彦(もりくぼきみひこ)

寡黙で知性が光る人物。

ミステリー小説「六人の嘘つきな大学生」の感想

タイトルが「6人の嘘つき」なのでその点を意識して読んでいました。

それが、嘘をついていない人物が1人、いや2人か?という感じでどんどん変わっていって、最後はさらに裏切られるという展開に。

推理能力のない僕にとっては全くの的外れな推理をしてしまい、「著者が一番嘘つきだ!」という悪態をつく始末(すいません)。

ネタバレになってしまいますので感想がなかなか難しいですが、ミステリー小説として面白い作品です。

就職活動の滑稽さと、個人的な雑談

この小説は企業の採用試験を舞台にした物語ですが、就職活動の「滑稽さ」を描いている作品でもあるように思いました。

みんな同じようなリクルートスーツを着て、頭から足先まで真っ黒な服装にギョッとするシーンがあったり。(海外の人からすると結構異質な風景なのかも?)

大学での勉学を始め、サークルでの活動やそれ以外の活動を面接でアピールする。そのアピールは誰も彼もほとんど同じだったり。

優秀な人材を雇う面接官(人事部)が、実際に会社に入ってみると会社では大して重要なポジションではなかったり。

スピラリンクスの面接官をしていた人物ですら、短時間の面談でその人物のことがわかる訳ない、と強く言い放つシーンがあったり。

確かにそうだよなあと思い当たる部分も多いです。


僕が以前働いていた会社は、スピラリンクスほどではないですが、かなり優秀な人材を雇っている会社でした。東大や京大などの大学生・大学院生を新卒採用していて、そんな有名な大学を首席で卒業した人もいて正直めちゃビビりました。(僕は派遣から正社員になったので正門から入っていない)

その会社で既に働いている人たちも高学歴の人ばかりで、僕はかなり場違いな気持ちでいましたが、頭のいい人の考え方、仕事の仕方を学べて良い機会をもらったと今でも思っています。

人事の人とも仲良くなって雑談をする中で、採用の話をチラッと聞いたことがありました。

その人事の方も「正直、何度かの面接だけではその人を知ることは無理」と言っていました。

だから、消去法として「学歴の良さ」を重視していると言っていました。それから、歯が綺麗な人は親の教育が垣間見れるから、歯も見ていると言っていました。

確かに僕が採用する側でも、その人物の内面までは分からないので、学歴は無いよりあったほうが良いだろうし(勉強してきたという努力、忍耐力が分かる)スポーツをしていて体が丈夫ならそれはそれでいい。あとは一緒に仕事をしたい人物かどうかとかも重要な気もします。

この小説を読みながら、ついついそういうことを思い出したり、考えたりしてしまいました。

なんとも重苦しい空気の漂う物語ですが、いい意味で裏切られる!とだけ書いて終わりにします。

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