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ホラー小説「夜市」ファンタジー色の強い2篇。独特な世界観が魅力!

ホラー小説「夜市」不思議な物語2篇。ホラーじゃないけど面白い。 Audible
この記事は約4分で読めます。

恒川光太郎さんのホラー小説「夜市」をオーディブルで聴きました。感想・解説を書きます。

Bitly

2008年10月発刊。オーディブル版は2017年11月から配信開始。

本の読み放題サブスク「Kindle Unlimited(キンドルアンリミテッド)」でも読めますので、チェックしてみてください。

Audible(オーディブル)版も聴きやすいナレーションで、非常に良かったです。

「夜市」は日本ホラー小説大賞を受賞。

表題の夜市だけの長編小説かと思いましたが、「夜市」と「風の古道」の2篇が入っています。

この作品は角川ホラー文庫として発刊されていますし、日本ホラー小説大賞も受賞していますが、ホラー好きの方は肩透かしを喰らうと思います。

ホラー作品というよりはファンタジー寄りの不思議な話なので、ホラー好きな方はご注意ください。

gao the book
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恒川光太郎さんの作品は初めて読みました。本格的なホラーではなかったものの、2篇とも余韻の残るいい物語でした。

「夜市」と「風の古道」のざっくりあらすじ

オーディブルのナレーションは安國愛菜さん。非常に聴きやすいナレーションでオーディブルもおすすめです。

オーディブルは名前の漢字がわからないのが欠点ですね。あらすじを書いていますが、名前の漢字が間違っている可能性が高いのでカタカナ表記にしています。

夜市のあらすじ

主人公は大学生のユウジとイズミ。

この二人の関係性が最後までわかりませんでした。おそらく友達以上恋人未満くらいの間柄かな?

ユウジから「秘密の夜市に行かないか?」と誘われる。

あまり乗り気がしないイズミだったが結局一緒に行くことに。

港近くの森の中、人が全くいないその場所に夜市があると言う。

行ってみると確かに夜市が開かれていた。しかし全く人がいない。

その夜市ではこの世のものではない人(?)、化け物が、得体の知れない商品を売っていた。

その夜市では「手に入らないものはない」。永遠の命からマニアックなものまで何でもござれ。

超高額(100億円とか)の商品ばかりで、安くても100万円単位の商品ラインナップ。

※夜市では「買い物をしないと出ることができない」というルールがある。

実はユウジは幼い頃に一度この夜市を訪れたことがあった(夜市は色々な場所で開かれるので場所は違う)。

弟の命を引き換えに、野球の才能を手に入れた。

ユウジが2度目に夜市に訪れた理由。イズミを一緒に連れて行った理由。どちらも謎で、不穏な空気が漂う中、物語が展開されます。

夜市ではなんでも望むものが揃っていますが、独特のルールがあります。読みながらいろいろな人たちを疑いました。

ホラーではなくて不思議な話。独特な世界観が魅力でした。

風の古道のあらすじ

7歳の小学生が主人公。

父親と公園に遊びに行った帰りに、父とはぐれてしまい通ったことのない細い道を通る。

その古道はポストがなく、道の両端に家はあるものの全て背を向けている。

人気のない道だったが、おばさんに出会い「この道は危険だから帰りなさい」と注意を受ける。

なんとか家に帰ることができたが、非常に不思議な小道で記憶に残っていた。

少年は12歳になり、学校から一緒に帰宅していた友人にふと思い出してその古道の話をした。

「今から行ってみよう」という話になり二人はその古道に行く。

和服を着た化け物の行列に出会ったり、道から見える森に車が貫通している風景を見たり、どうやらとんでもない道だということがわかる。

宿があり、そこでレンという青年と出会う。レンは長い間古道を旅しているらしい。

レンによればこの古道は「霊道」や「死者の道」と呼ばれている。この世のものではない「何か」が通る道だと言う。

3人で古道を一緒に歩いていたが、コモリというおじさんとバッタリ遭遇し、主人公の友人カズキが殺される。(その後、レンがコモリを殺す)

古道には「雨の寺」なるものがあり、そこでは死者を蘇らせることができるらしい。

主人公とレンはカズキを蘇らせるために長い旅に出る。

という話です。

伏線がいくつもあって最後に全て回収します。

この話もホラー要素はほぼありませんが、個人的には夜市よりも好きな物語でした。

ホラー小説「夜市」は面白い?つまらない?

「夜市」「風の古道」どちらも、面白いか、つまらないかと聞かれたら面白いと答えます。

夜市も古道もいわゆる「この世のものでない場所」。

ファンタジー系の物語が好きな方は楽しめると思います。

ネタバレにはならないと思いますが(多分)、特に「風の古道」は読後の余韻が良い終わり方ですので、ぜひ最後まで読んでみてください。

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