藤木稟さんのホラー小説「イツロベ」の感想・考察・解説。

amazonのリンクを貼っていますが、廃刊してるのかな?中古本の販売しかありませんでした。リンクが切れていたら検索してみてください。
初版の単行本は1999年発行。
今回は本の読み放題のサブスクKindle Unlimited(キンドルアンリミテッド)で再読しました。
20年近く前に一度読んで、改めて読んでみましたがやっぱり面白い。

主人公のアフリカでの生活や文化は知らないことが多く興味深い内容でした。日本に帰国してから一気にホラー色が強くなる作品。
ホラー小説「イツロベ」のあらすじ
ホラー小説「イツロベ」のあらすじを書きます。ネタバレはしていません。
産婦人科で働く主人公がボランティアでアフリカに行く。
禁断の森に棲む謎の部族「ラウツカ族」と出会い、超現実的な体験をする。
そして日本に帰国してからもおかしなことが起こり続ける…という物語です。
この小説で登場するラウツカ族のことを調べてみましたが、どうやらフィクションのようです。
ですが、ラウツカ族に近い民族がいるようで、ディンカ族という民族(2mくらいの長身の民族)をモチーフにしているのかも知れません。
アフリカ民族と聞くと、槍を持っていて、顔や体に模様(ペインティングなのか、タトゥーなのか?)があって、手足が長く、顔の絵の大きな盾を持っていて…みたいな古典的なイメージがあります。まさにそのイメージの民族が物語の中でも登場してちょっと驚きました。実際にやっぱりそういう民族っぽいです。
ホラー小説「イツロベ」の感想
アフリカでの生活の話は知らないことだらけで新鮮な気持ちで読めました。
物語の中盤から日本に帰国。そこから現実の話なのか主人公が幻を見ているのか境界線が分かりにくくなってきます。
そして、終盤はちょっとよくわからないまま終わります(僕の理解力不足の可能性大)。
かなり気持ち悪い雰囲気のホラー作品になっています。
ホラー小説「イツロベ」で気になったところ
ホラー小説「イツロベ」で気になった部分を引用します。
アフリカの民族ってなんかこう、不思議な力を持っているイメージがあります。
そのイメージに近い文を引用します。
ターパートゥニに手を引かれて歩くと、木々は道を譲るように断ち分かれていった。
イツロベ
木立が分かれ、次の空間が現れる様は、森がラウツカ族にだけは特別な神秘の扉を用意しているかのようだ。しかも目の錯覚か、ターパートゥニの身体が時々、幽霊のように揺らいだり、消えたりして見えるのだ。
やがて私が理解したのは、全身の幾何学模様が森の陰影に同化する迷彩作用を持っているということだった。
おそらくこういった錯覚が、ラウツカ族を精霊的存在だと思わせた仕組みなのだと、私はひとり納得した。
体のあの不思議な模様は、迷彩作用があるのか。はえ〜。
まとめ
この小説を読んでいて物語の展開が近いものを2つ思い浮かべました。
中島らもさんの「ガダラの豚」もアフリカに行って、日本に帰国してから不可思議なことが起こる話。
それと貴志祐介さんの「天使の囀り」もロケーションはアマゾンですが、日本に帰国して同じくおかしなことが起こるので、こちらもちょっと似ています。
実はフォーマットとして結構確立していたりするのかも知れませんね。
上記の2冊が好きな人はこの本もかなり楽しめるはずです。
「イツロベ」はもしかするとそこまでメジャーなホラー作品ではないかも知れませんが、ホラー好きなら結構おすすめの一冊です。むしろ、もう少し話題になってもいいくらいに思っています。
Kindle Unlimitedで読めるタイミングがあれば、ぜひ手に取ってみてください。もちろん紙の本を購入するのもおすすめです。




コメント