町田そのこさんの短編小説集「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」の感想・解説・考察。
2017年発行。
この小説は、本の読み放題のサブスクKindle Unlimited(キンドルアンリミテッド)で読みました。

恋物語が詰まった短編集。
小説「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」のあらすじ
小説「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」のあらすじを書きます。ネタバレはしていません。
若い男女が主人公の短編集。短編が5つあります。
恋愛、人生について悩みまくりの若者たち。
フィクションなのに妙に生々しく、異様に感情を揺さぶられました。
実際に物語の世界に入って、セリフが聞こえてきそうなくらいの距離感。
短編それぞれのタイトルは魚の名前(熱帯魚)や、海をモチーフにした話が多く、魚をモチーフにした短編集です。
小説「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」の良かったところ
小説「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」で印象に残ったところを少し引用します。
「昔は、こんな場所消えちまえと思うくらい、嫌な場所だったんだけどな」「嫌な物が全部、廃れて消えちゃったんだよ」
カメルーンの青い魚
永遠にある気がしてたけどな、とりゅうちゃんはぽとんと呟いた。私はその言葉を拾って、頷いた。永遠だと思ってたけど、びっくりするくらいあっさりと、なくなっちゃったよ。
生きるとか生きていけないとか、大人でも考えて苦しむものなんだ。だったら俺や晴子が苦しいと思うのは当たり前なんだ。大人が苦しみながら泳いでいるのだとしたら、それはとても厳しい現実だと思うけど、でもそういうものであるなら、仕方ないよな。これからも、もがきながら泳いでいくしかない。
夜空に泳ぐチョコレートグラミー
俺が生きていけるのはここなのかもしれないって。何も残らない、淀んでいないここで息を吐いて、大事なものの幻を見てちょっと幸せになる。それが一番、生きやすいんじゃねえかなって。
溺れるスイミー
水中にいるみたいに酸素が足りなくて、息苦しいシーンがあって、まさに人が魚になったかのようでした。
人生の悩み、恋愛のしんどさが伝わってきます。
まとめ
この短編集では色々な女性(もしくは男性)の人生を垣間見れます。
「ここではないどこか」を求める話。
結局どこへも行けなかったけれど、それも決して悪くないと思う。
とてもいい作品だったので、町田そのこさんの他の作品も読んでみようと思います。
この小説はKindle Unlimitedで読めるタイミングがあります。最初の30日は無料でお試しができるのでぜひ。



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