貴志祐介さんのホラー小説「クリムゾンの迷宮」の感想記事です。
読み出したら一気に読み切ってしまうこと請け合い。個人的には超超おすすめの一冊です。
2002年発行(電子書籍表記)。
本の読み放題サブスク「Kindle Unlimited キンドルアンリミテッド」で再読しました。
この作品は世間的に有名ではないと思いますが、話題になっていないのが不思議なくらいです。
簡単なあらすじ
主人公は休職中の40歳の男。
目が覚めると見知らぬ場所に一人。そこは地球ではないような、見たこともない風景が広がる。
その後、他の人たちと合流。色々あってサバイバルゲームが始まる。
みたいな話です。
ホラー+サバイバルが魅力
この小説は大好きで7回ほど読んでいます。
何度読んでも楽しめるのは文章も物語の展開も最高だから!
クリムゾンの迷宮のストーリーは、映画で言えば、CUBE、バトルロワイヤル、人狼ゲームなどに似ています。
「サバイバル、殺し合い」の内容でここまで楽しませてくれる小説は他に無いと断言できます。
気になったところを引用
サバイバルゲームの話なのでサバイバル術が要所で出てきます。
興味深かった部分を引用してみます。
腕時計をはずすと、太陽の方角に短針を向けた。短針と十二時の間を二等分した方向が南になるはずだ。
クリムゾンの迷宮
国際的に通用するSOSのサインで、三つの焚き火を、正三角形に焚くと言うのがあるんですわ
クリムゾンの迷宮
まずは基本中の基本。優先順位だ!一般的に、遭難したときにまず考えるべきことは、①水 ②シェルター ③暖 ④食料 の順となる。
クリムゾンの迷宮
サバイバルの常識だが、この順位はケースバイケースで入れ替わる。
物語では殺戮をともなうサバイバルゲームが繰り広げられます。
生死をかけた極限の状態で人はどんな考え方、価値の判断を下すのか、とても面白い内容になっています。
ここで諸君に、仏教の要諦を伝授してやろう。永年にわたって禅寺で修行した坊主が、悟りを開いた末にたどり着く、いわば究極の真理だ。
クリムゾンの迷宮
僧に会えば僧を殺し、仏に会えば仏を殺す。
この言葉の意味はだな、生き残りたければ、自分が殺される前に、相手を殺さなければならないということだ。そのためには、先制攻撃あるのみだぞ。やれ。
まとめ
僕が小学校の低学年くらいの頃にゲームブックという本が流行っていました。
当時は随分夢中で遊んでいたけれど、この小説でもゲームブックが出てきます。懐かしい。
ホラー要素に加えて、危険な生き物の話や、罠(獲物を捕獲する罠)について、危険な食品についてなどなど、普段の生活ではなかなか知ることができない情報が物語をいっそう面白くしています。
この小説ほどエンターテイメント性が高い小説はなかなか無いと思います。
なお、漫画にもなっているっぽい。漫画は読んだことがないけど、ちょっと気になっています。
コメント
大好きな貴志祐介の中で個人的に最高傑作です!
コメントありがとうございます!
他にも面白い作品多いですが、この作品は特に面白いです!