当ページのリンクには広告が含まれています。

澤村伊智さんのホラー小説「ずうのめ人形」の感想。ミステリ色強め。

澤村伊智さんのホラー小説「ずうのめ人形」が面白い!ミステリ色強め ホラー
この記事は約3分で読めます。

澤村伊智さんのホラー小説「ずうのめ人形」の感想記事です。

1作目の「ぼぎわんが、来る」の続編、比嘉姉妹シリーズの2作目になります。

小説のタイトルは毎度単語の意味がわからず、今作も不気味さを放っています。

2018年発行(電子書籍表記)。

本の読み放題サブスク「Kindle Unlimited キンドルアンリミテッド」で読みました。

Kindle Unlimited

gao the book
gao the book

今作もホラージャンルですが、どちらかというとミステリー要素が強い印象です。前作「ぼぎわんが、来る」が面白すぎて読む前からハードルが上がっていましたが「ぼぎわんが、来る」と引けを取らないくらい面白いです。めちゃくちゃおすすめ。

ざっくりあらすじ

「ぼぎわんが、来る」でも登場したオカルトライターの野崎(映画では岡田准一)が登場します。最強の霊媒師比嘉琴子の妹、真琴(映画では小松菜奈)も大活躍。

仕事仲間が持っていた原稿を読むと「ずうのめ人形」に取り憑かれて殺されてしまう。その原稿が拡散していく流れは貞子が登場するリングに似ています。

実際この小説に「リング」や「残穢」という実際にある映画が登場します。こういうのありなのね!

この呪いの原稿を書いた人間を探すべく、野崎と真琴が謎を追いかける。みたいな話です。

中盤から後半にかけての謎解きが面白く読むのを止めるのが難しい。

今回のストーリーも都市伝説、民俗学などの要素が炸裂していてめちゃ面白いです。

この作品の怖いところ

小説でできるホラーの演出

オカルトライターが持っていた原稿の物語が全体の4割近くページを使って描かれています。その原稿内容の一部が「伏字(黒い四角で文字が塗りつぶされた)」になっているのが非常に不気味。

こういう表現はホラー小説ではごくたまに見かける時がありますが、小説での演出で言えば「伏字」も「文字化け」と同じように恐怖を強める演出だと思います。

日本人形ってだけで怖い

この作品のタイトルでもある「ずうのめ人形」なる日本人形が執拗に追いかけてきます。

追いかけてくるというパターンは都市伝説や怖い話ではよくありますがわかりやすく怖い。それから、日本人形は異様な不気味さがあります。

個人的なイメージで「ずうのめ人形」のイラストを描いてみました。

ずうのめ人形のイメージイラスト

下の画像はAIに描いてもらった「ずうのめ人形」。

ずうのめ人形のイメージをAIに描かせたみた

前作で見逃していたところ

比嘉真琴は霊感体質で昼間に外を出歩くとなぜかカラスが集まってきます。

1作目の「ぼぎわんが、来る」を改めて読み返してみて、同じことが起こっていて(一回目読んだ時は読み飛ばしていたのか全然気づきませんでした)ちょっと笑ってしまいました。あー!やっぱりカラス集まってる!

カラスが集まってくるおかげで、活動は夜に限られるっていうのがちょっとかわいそう。

まとめ

オカルトライターが集まって、都市伝説や怖い話について論じ合う場面が良かったです。

いま言ったのは、怖い話の怖い要素、その一本目の柱だ。もう一本はね 怖い話が伝わり広がること、それ自体なんだ。それが恐怖を引き起こす

ずうのめ人形

普通、1作目が良ければ2作目のハードルが高くなってしまいますが、余裕で1作目のハードルを超えて期待以上の面白さでした。

シリーズの他の作品の感想も書いているので是非ご覧いただければ。

コメント