当ページのリンクには広告が含まれています。

澤村伊智さんのホラー小説「ぼぎわんが、来る」の感想。怖すぎる!

澤村伊智さんのホラー小説「ぼぎわんが、来る」が凄すぎ、怖すぎ! ホラー
この記事は約4分で読めます。

澤村伊智さんのホラー小説「ぼぎわんが、来る」の感想記事です。

ホラー小説界にすごい作家さんが爆誕!(僕が知ったのが遅いだけ)

2018年発行(電子書籍版)。

本の読み放題サブスク「Kindle Unlimited キンドルアンリミテッド」で読みました。

Kindle Unlimited

「ぼぎわんが、来る」は澤村さんのデビュー作で、第22回日本ホラー小説大賞の大賞を受賞しています。

賞の選考をしていた綾辻行人さん、貴志祐介さん、宮部みゆきさんに絶賛されて文句なしの大賞受賞だったとか。

gao the book
gao the book

この作品は比嘉姉妹シリーズという名前でシリーズ化されています。どのタイトルも意味がわからないから不気味。「ぼぎわん」って何よ…

ざっくりあらすじ

新婚生活を楽しんでいた主人公の元にとある来訪者が現れる。主人公の祖父が恐れていた「ぼぎわん」という怪物がじわじわと襲いかかってきます。

ぼぎわんを退治するべく、複数の霊媒師が対応するも全滅。そして、比嘉琴子という最強の霊媒師が立ち向かう。という物語です。

妖怪・都市伝説・民俗学などの要素が絡み合って、もうこれだけでも面白い。

先ほど新婚生活を楽しんでいた人が主人公と書いていましたが、この小説では物語が進むにつれ主人公が変わっていく感じです。野崎というオカルトライターだったり霊媒師の比嘉琴子だったり。

最初読んだ時は、比嘉琴子が主人公で妖怪を退治していくシリーズなのかな?と思っていましたが、2作目を読むと比嘉琴子はほぼ登場しないという…。

続編の小説も非常に面白くて、個人的にはこんなすごいホラー作家さんが出てきて嬉しい限りです。

ぼぎわんとは

「ぼぎわん」の存在は謎が多く、さまざまな文献にこれかな?というものを発見するも、結局はよくわからず。

「ぼぎわん」という山に連れ帰る妖怪(お化け)が三重県にいた、という話もあれば、和歌山では「ぼうぎま」「ぶぎめ」という山に連れ帰る妖怪がいたと文献に載っていたり。

ヨーロッパから使節団がブギーマンを連れてきたという話も。ブギーマンがなまって「ぼぎわん」に?

小説ではちらっとだけど「ぼぎわん」の見た目について描写がありました。

大きな灰色の化け物が立っていた。長い脚。歪んだ小さな胴体。両腕をだらりと垂らし、顔は黒髪に隠れて見えない。

ぼぎわんが、来る

勝手に想像上のぼぎわんをイラストにしてみました。

「ぼぎわん」のイメージイラスト

鋭い牙で噛み付く妖怪なので口が大きいイメージ。画力がない人間が無理にイラストにすることで、ものすごくスケールが小さい妖怪になってしまいました^^; 

実際は最強クラスのパワーを持った妖怪なので、もっと禍々しくラスボス感がある感じだと思います。

下の画像はAIを使って描いたぼぎわんのイラスト。これも違いますね…。

「ぼぎわん」をAIで描いてみた

その他に面白かったところ

この小説は妖怪の呪い?みたいなものが登場人物たちに襲いかかってきます。それはそれで非常に怖いんですが、人間同士の妬みや嫉妬なども非常に怖いです。

主人公は親族からお守りをもらって大切に保管していましたが、実はそのお守りが「魔導符」という呪いのアイテムでした。これは後で考えてみると、この仕業も含めて「ぼぎわん」がやらせていたのか、もしくは逆にその魔道符の存在がぼぎわんを呼び寄せたのか…。

他に気になった文を引用してみます。

オカルトの世界はインチキがまかり通っている。というよりオカルトの歴史はイコール詐欺、誤認、勘違いの歴史だと言っていい。

ぼぎわんが、来る

ちなみに、シリーズの他の作品の感想も書いているので是非ご覧に頂ければ嬉しい限りです。

映画もマジでおすすめ

この作品は「来る」というタイトルで実写版で映画化されています。

原作と映画では多少違う部分はありますが、それでも十分面白い。

小説(もしくは漫画)を原作にした実写版映画は駄作になりがちな気がしますね。映画は1本2〜3時間なので、単純に細かいところまで表現する時間がないという理由もあると思います。端折らないといけないから、どうしても細部が雑になる部分は出てくるのかな。

その点、この映画は個人的にはここ10年くらいの日本のホラー映画の中でも、一番と言ってもいいくらい良かったです。

小説も映画もマジでおすすめです!

コメント