背筋さんのホラー小説「近畿地方のある場所について」の感想・考察・解説。
この作品はAudible(オーディブル)で聴きました。
物語の途中で著者の背筋さんが登場して、この小説について解説するシーンがあります。この作品は実話を元にした物語なのか?もしくはフィクション(モキュメンタリー作品)なのか読んだ後もわかっておらず…。
小説を原作にした映画が2025年8月8日に公開されます。白石晃士監督作品ということでかなり期待できそう。
多少、物語について書いていますがネタバレはしていませんのでご安心ください。

背筋さんの作品を他に2作読みましたが、今作が代表作品のようです。背筋さんらしい奇妙な作風が全開!
ホラー小説「近畿地方のある場所について」はWeb小説で人気が出た
この作品は2023年にWeb小説として発信していて、人気が出て書籍化した作品とのこと。Audible版を聴く限りではそのあたりの情報は全く無く、映画のWebサイトを見て初めて知りました。
小さい話を集めて終盤に謎が解明されていく展開なので、Web小説で1話ずつ切れ切れに投稿されていたと考えると、話題になった理由がわかる気がします。意味不明な物語の連続なので最後気になりますよね。
ホラー小説「近畿地方のある場所について」Audible版
Audible版のナレーションは山内平さん。非常に聞きやすいナレーションでした。
Audible版ではPDFの資料があり、イラストや実物の写真っぽい物もあってなかなかに不気味。
ホラー小説「近畿地方のある場所について」ざっくりあらすじと感想
著者の背筋さんの友人である小沢が失踪し、小沢が残した記事や取材情報をまとめたのが本作。
小沢は20年以上継続している老舗のオカルト雑誌の編集社に所属していた。
オカルト雑誌での取材、雑誌に投稿された奇妙な話、取材の際に録ったインタービューのテープ起こし、ネットにあった奇妙な話、などを聞いているうちに、これらの物語が「近畿地方のある場所」で起こっていることに気づく。
オカルト雑誌の編集長のSと小沢は謎を解くべく取材に何度も足を運ぶことに。
もうこの展開だけでわくわくします。
山に住む謎の男
未婚の女性に対して「山に来ませんか?」「柿もありますよ?」と仕切りに誘う謎の男。
その男は近畿地方のとある山の中に住んでいるらしい。グーグルで検索してみるとその場所は廃墟の神社だった。
ネット上に現れたり、林間学校に来た女子生徒に声をかけたり、小学生の女児に声をかけたり。
40〜50代の男性という情報もある。
その山の中で巨大な白い男の姿を見たという情報が寄せられる。
ホワイトマンというUMAではないか?ということで、小沢たちは取材に行く。
ダム近くにあるマンション
近畿地方にあるマンション。リノベーションして綺麗なマンションだが妙に暗い。
一部では幽霊マンションと呼ばれる。
そのマンションに住む子供たちの間では「真っ白さん」という秘密の遊びがある。
このマンションに住もうと考えて画像一覧でマンションの画像を検索していると、赤いコートを着たボサボサの髪の女の画像があった。両手を真上に広げていた。文字化けのテキストに加え、「見つけてくださってありがとうございます」という書き込みもあった。
毎年このマンションでは飛び降り自殺する人がいる。わざわざ遠方からこのマンションにやってきて飛び降りるらしい。
謎のシール
全国の電柱や壁面に貼られる謎のシール。
鳥居の簡素な線画に「女」という文字が4つ書かれている。女の代わりに「了」のパターンもあるが、その違いは謎。
貼り方が適当で、貼っている瞬間を見るものは誰もいない。監視カメラにも映っていない。
小沢の大学の友人がサークルの勧誘に会い、パーティーに行ってみると、終盤に訳のわからない言葉のナレーションが流れ、そこにいた人たちの様子がおかしくなる。プロジェクターには謎のシールが大きく映し出される。
その友人はサークルを辞めたが家のドアにあのシールが貼られる。剥がしても何度でも貼られる。そのシールは鳥居だけで文字はなかった。
このシールが大量に貼られた家があるらしい。関西軍曹というハンドルネームの人物はネット上で実況をしながらこの家を突撃する。10年近く廃墟で以前は女性と子供が住んでいたらしい。
部屋の一室には、しめ縄を巻いた岩が鎮座していた。結局、関西軍曹の返事がなくなり、最後に1枚の画像が投稿される。謎のシールの画像で、そこには「了」と書かれていた。
他にも
こんな感じで様々な不思議で怖い話が続きます。
この不可解な話を大きく分けると近畿地方にある「神社」「トンネル」「ダム」付近で起こった怪異ということに気づく編集者たち。
上記以外にも、デジカメで写真を撮ると「img0053」というファイル名は必ず真っ暗になる話。
学校の9不思議。その中には見たら死ぬという幽霊「ましろさん」の存在。ましろさん?どこかで聞いた名前。
微妙に言葉は違うものの、似たような事例がいくつも浮かび上がってきます。
終盤に高齢の女性作家のインタビューで、これらの謎の大まかな部分の解明がされます。
まとめ
僕はオーディブルで聴きましたが、正直なところ最後まで聴いてもなんとなくしかわかっておらず ^^;
考察・解説とか書いておきながらすみません。
石を祀った謎の宗教団体が登場しますが、この人たちが喋るデタラメな言葉はオーディブルだと聞き応えありました。棒読みでかなり怖い! 笑。
近年活躍されているホラー作家さんの小説は、かなり作り込まれていて、1段、2段とどんでん返しがあるような話が多いように思います。
読み応えがあり物語も深くて良いのですが、その分、ちょっとわかりづらい部分も出てきていると感じます。これは僕の読解力の無さが大きいんですが、個人的にはもうちょっとシンプルな話の方がいいな〜と思っています。いや、お前の好みなんか知らんがな!ってことになりますが。
実写映画化されますが、この奇妙で不可解な物語の連続は、おそらく映画の方がより楽しめそうに思いました。白石監督の作品ということもあってかなり楽しみ。



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