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貴志祐介さんのSFファンタジー小説「新世界より」の感想

貴志祐介さんのSFファンタジー小説「新世界より」念力vs化け物 小説
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貴志祐介さんの「新世界より」の感想記事です。上・中・下巻まとめての内容です。

著者には珍しくSFファンタジー物語。

貴志さんと言えばホラー小説の印象が強いですが今作はSFファンタジー。色々なジャンルの小説を書いててすごい。

2008年発行。

上・中・下巻全て、本の読み放題サブスク「Kindle Unlimited キンドルアンリミテッド」で読みました。

Kindle Unlimited

gao the book
gao the book

3冊あるので読み応えがあります。序盤は貴志祐介さん版のハリーポッターみたいな印象を受けました。だんだんと内容がシリアスでエグくなっていきます。念力の戦闘シーンが妙にかっこいい作品。

ざっくりあらすじ

現代社会よりもずっと未来の話(1000年後くらい)。
この世界の人間は魔法(念力)のようなものを使えます。

主人公は女の子。

町は結界が張られていて世界の在り方自体が謎に満ちていて、主人公は少しずつその謎を解明して行く、みたいな話です。

簡単に言うと、超能力を持った人間と化け物の戦いです。

最強の念動力を使う鏑木 肆星(かぶらぎ しせい)という人が出てきます。本気を出せば地球を真っ二つにすることができるという噂。片目に2つずつ合計4つの虹彩がある特異な遺伝的特徴を持つ。その目は360度の視界を持ち、遮蔽物をも見通せ、反応速度は通常の神経細胞の限界を遙かに超える。

この人がめちゃかっこいい。

今更ながら思ったのは呪術廻戦という漫画の五条悟先生みたいな人だなと。呪術廻戦の作者が真似た可能性あるかも!

個人的な記憶と感想

発売当時はハードカバーで3巻購入して読みましたが、なぜか全然好きになれない話で、貴志さんの小説の中では1回しか読んだことがない本でした。

ですが10年以上経って改めて読んでみると面白かったです。

序盤が多少退屈なので最初に読んだ時はそこで嫌いになったのかも知れません。本は読むタイミングで面白さが結構変わってくるから不思議です。読む側の問題もあるんだろうなあ。

物語は序盤を除いて主人公がずっとピンチ。ずっとハラハラしっぱなしで、長編小説なのに一気に読ませるパワーがやはりすごい。

序盤は貴志祐介版のハリーポッターという印象が強かったんですが、上巻の終盤あたりからその印象も薄れていって、そこから一気に面白くなります。

気になった部分を引用

個人的に興味深かった部分を感想とともに引用します。

心から恐怖を追い出せるほど強い感情は、怒りしかない。

新世界より

多分、僕が戦争に参加することになったら、恐怖から逃れるためにずっと怒ってそう。

ただでさえ絶望的なのに、実際の事態はさらに悪いのではないかと冷静に疑う人間は、あまり見たことがありません。誰もが、儚い希望を探し求めているあまり、危険な兆候をあっさり見過ごしてしまうんです。

新世界より

現在の僕の仕事の現状のような感じがして、ギクっとしました。
最悪の状況のさらに悪い状況も想像しておかないとなあ。

皆さんは、諦めが早すぎる。我々の種族は、心臓が鼓動を止める、まさにその瞬間まで、逆転する方策を探し求めます。それが無駄な努力に終わったところで、失うものはありません。兵士の本分という以前に、生きている限りは戦い続けるのが、生き物としての本分なのです。

新世界より

常にピンチの主人公ですが、仲間の行動や言葉に励まされています。

まとめ

この小説は漫画やアニメにもなっているっぽい。

個人的には再度読むまでいまいち好きな作品ではなかったですが世間的には人気作品なのかな?

この世界では化け物からは人間は「神」と呼ばれています。
タイトルの新世界はきちんと意味がありますが、もしかすると「神世界」と置き換えられるかも知れません。

漫画もアニメもなんかイメージと違う。

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