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小説「ゲーテはすべてを言った」の感想。ゲーテから愛と学問を学ぶ?

小説「ゲーテは全てを言った」の感想。ゲーテから愛と学問を学ぶ? Audible
この記事は約4分で読めます。

鈴木結生さんの小説「ゲーテはすべてを言った」の感想・解説・考察。

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2025年の小説。第172回芥川賞を受賞。

この作品はAudible(オーディブル)で聴きました。

オーディブルのナレーションは吉開清人さんが担当。非常に聞きやすい声と朗読!

最初はノンフィクションの物語と思っていましたが、登場人物などをWebで調べてみると検索でヒットせず。どうやらフィクション作品のようです。

日本では珍しい小説のジャンル、アカデミック冒険譚とのこと。

ゲーテが言ったとされる一文を探し続けるゲーテ専門家の主人公。知的好奇心をくすぶる物語で、ミステリー要素あり、家族愛ありで、読んだ後に心が穏やかになる小説でした。

gao the book
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中盤あたりまでずっと「ゲーテ」を「ニーチェ」と勘違いして読み続け、その間ずっとあさっての方向の考えを巡らせていました ^^; なんか話が合わないと思っていたらそりゃそうだ 笑。

小説「ゲーテはすべてを言った」のあらすじ

ゲーテに関する学者、博把統一(ひろば とういち)が主人公。63歳。

統一と妻の義子(あきこ)は、娘の徳歌(のりか)からディナーを誘われる。

そのお店で購入した紅茶のティーバックに、ゲーテの言葉が書かれていた。

学者である統一も知らないゲーテの言葉だった。

「愛はすべてを混淆(こんこう)せず、渾然(こんぜん)となす」

この言葉を発端に、統一はこの言葉の出どころを調べる、という物語。

統一の恩師、後輩の学者、大学時代の友人(ドイツ人)、妻と娘、などの物語も面白く、ミステリー要素あり人間愛あり。途中大きな転換がありハラハラしましたが読み終わったはほっと一息。

かなりざっくりとしたあらすじですが、大まかには上記のような内容です。登場するゲーテの言葉がいいので、ぜひ読んでみてください。

ちなみに「ゲーテはすべてを言った」というタイトルですが、この言葉は「引用元がはっきりしないことを言う際に、さも名言っぽく言う時に使うセリフ」らしい。

小説「ゲーテはすべてを言った」の登場人物

  • 博把統一(ひろば とういち)…ゲーテ学者。ゲーテと言えばこの人と言われるくらいの第一人者。主人公。63歳。大学でドイツ文学を教える。テレビ番組にも出る。
  • 博把徳歌(ひろば のりか)…統一の娘。大学4年生。
  • 博把義子(ひろば あきこ)…統一の妻。ゲーテに興味なし 笑。ガーデニングが趣味。
  • 然紀典(しかり のりふみ)…統一の後輩研究者。60歳。ゲーテはもちろん、それ以外のことも詳しい。饒舌に話す姿が印象的。
  • 芸亭學(うんてい まなぶ)…統一の恩師。娘は統一の妻(義子)。
  • 紙屋綴喜(かみや つづき)…然が受け持つ生徒。
  • ヨハン…ドイツ人。統一の学生時代からの友人。禅が好き。
  • K.M.(ケーエム)…女学生。徳歌と同い年。然も一目置く頭のいい学生。
  • 驢馬田種人(ろばた しゅじん)…小説家。
  • ウェーバー…ドイツ人YouTuber。

小説「ゲーテはすべてを言った」の良かったところ

ナレーションがいい

ナレーションの声の使い分けがよくて、非常に聴きやすかった。オーディブルおすすめです。

ドイツ語を朗読するシーンが何度かあるんですが、発音がすごかった。と言っても、ドイツ語のことはわからないので正確な判断はできませんが 笑。

然紀典(しかり のりふみ)の話が面白い

主人公統一のゲーテに関する知識は読んでいて面白かったですが、同じく研究者の然の饒舌な話もこの小説の見どころ。

ドイツ語の単語で一番長い単語を暗記していて披露する場面も。

統一よりも幅広い知識を持っていて、読んでいて(聞いていて)楽しかった。

娘の徳歌もまたすごい

統一の娘の徳歌は、それなりにゲーテに興味があるっぽい。

物語の後半では徳歌のキャラクターがより深く描かれています。

部屋にびっしりと貼られた付箋、そこに書かれた世界中の「名言」。

膨大な量の名言を掲載したWebサイトも運営している。

徳歌の彼氏の話もこの小説の転換ポイント。

ドイツ人はそんなにゲーテを知らない

統一のドイツ人の友人ヨハン。彼が言うには「ドイツ人はゲーテの言葉をあまり知らない」らしい。

日本の禅が好きなヨハンだが、日本人だってみんなが禅に詳しい訳ではない。

気になった言葉

この小説ではゲーテの戯曲「ファウスト」の話がよく登場します。

「学問は虚しい。知ることができないことを知る。」

それから、統一が考えごとをしている中で語ったチャップリンの名言

「人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇である」

も良かった。作家の伊坂幸太郎さんの小説でも何度か見た記憶があります。

ディズニー映画「ファンタジア」

ゲーテの「ファウスト」を原作に、クラシック曲を映像化したのがディズニー映画の「ファンタジア」。このファンタジアは統一が初めて触れたゲーテだった。

話を聞いてみる感じだとすごそうな作品っぽいので今度観てみよ。

まとめ

今回の感想記事はネタバレしていません。

本当は統一の言葉で良いものがたくさんあったので引用しようと思ったんですが、オーディブルで聞いているとどこがその場面だったか、探すのが難しかったのであきらめました ^^;

普段あまり読まないタイプの物語だったので、新鮮で面白い体験でした。

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