梨さんのホラー小説「かわいそ笑」の感想・解説・考察。
この作品はKindle Unlimited(キンドルアンリミテッド)で読みました。
インターネット黎明期の謎の怪談。さまざまな場所で見かける「りん」という女性の画像。
不可解で不気味。
実話を元にした創作作品です。

梨さんらしさ全開のホラー!
ホラー小説「かわいそ笑」のあらすじと感想
ホラー小説「かわいそ笑」は著者が収集してきた話を元にしたモキュメンタリーホラー。
昔のWebサイトからの引用部分は実話、それ以外は著者が一人称の物語(解説)になっています。
5つの話に分かれていますが短編集ではなく、まとめて1作品です。
横次鈴という女性を中心に広がる謎の怪談
横次鈴、りん、という表記で、風水やおまじないが好きな女性が登場します。
さまざまな場所で自作の小説を掲載したいと活動し、「右上から左下」という配列に謎のこだわりがある。
インターネット黎明期(2000年代)に掲示板、個人のブログ、mixiのトピックなどに登場する「りん」。
「りん」と思われる、顔から下だけをトリミングした女性の死体画像。
さまざまな形でweb上にこの死体にまつわるエピソードが展開。
全体的に話が散らかっていてわかりにくいですが、終盤に著者の意図が示されて、なんとなく理解はできました。
モキュメンタリーホラーらしい、気持ちの悪さがこの作品の魅力!
モキュメンタリーホラーのギミック
実話を元にした創作の物語には、ちょっと変わったギミックが用意されていることが多い気がします。
この作品では1話ごとにイラストやQRコードなどを使った「なんだろこれ?」と思わせる謎のギミックが用意されています。1ページを使っているのでインパクトあります。
QRコードは実際に読み込んでみると、出版社が用意したサイトを閲覧できます。これも実話を元にしたサイトなので、作り込みを感じました。
オーバードーズ、「あらいさらし」など不気味な話が盛りだくさん
幽霊を見たことがある女性の話、掲示板の書き込みにあるオーバードーズのスレッド、なんの脈略もなく毎日一方的に送られてくる「あらいさらし」なる儀式のメール。
検索してはいけない言葉、幽霊の会い方が書かれた個人サイト、踏めないURLの鑑定をするスレッド、などなど。
とにかく気持ち悪い話が多いです。
ホラー小説「かわいそ笑」の面白かったところ
作中に幽霊に会う方法というサイトが登場しますが、この話を読みながら、そう言えば昔、夢の中で自由に行動できる方法というのを何かで読んだことがあったな、と思い出しました。
毎日夢の内容を紙に書いて夢日記を作る。それをずっと続けていると、夢の中で自分の好きなように行動できるようになるらしい。でも、副作用があって、現実と夢がわからなくなって、狂ってしまうという話。
こういうアンダーグラウンドな話は、2000年に入ってから掲示板や個人サイトなどでよく見かけた記憶があります。
今では規制が強くなって、あの頃のインターネットの雰囲気を体験できることはないでしょうね。
そういえば、少し前に5ちゃんねるも閉鎖されてしまいました。
おそらく著者の梨さんも僕と同年代くらい(アラフィフ)だと思いますが、当時のインターネットを体験した人なら、この作品は結構楽しめると思います。
ああー!、あったあった、みたいな懐かしさ。
まとめ
この作品のメインの話である「りん」なる人物の画像、それにまつわる様々なホラー話。その話自体が本当かどうかはそこまで重要ではないようです。
架空の人物を呪い殺す。
それが罪にならないのであれば、ぜひ、あなたも架空の人物を呪ってみてください。
みたいな内容です。
いや、自分で書いてて気持ち悪いですが ^^;
最初は1話ずつ細かく内容を書いていたんですが、ネタバレしてしまうなーと思って、ざっくりした感想にしました。
興味がある方はぜひ手に取ってみてください。


コメント