当ページのリンクには広告が含まれています。

「新版 お金の減らし方」の感想。作家のリアルなお金の話がすごい。

「新版 お金の減らし方」の感想。作家のリアルなお金の話がすごい。 新書
この記事は約7分で読めます。

森博嗣さん著「新版 お金の減らし方」の感想・解説・考察。

Amazon.co.jp

2024年発行。2019年に書いた「お金の減らし方」の改訂版とのこと。

この本はKindle Unlimited(キンドルアンリミテッド)で読みました。

出版社の意図としては「お金の増やし方」の内容で執筆依頼されたと思いますが、森博嗣さんは天邪鬼らしく(この本で自分でも書いています)「お金の減らし方」というタイトルにしています。

いわゆるこうすればお金が増える、みたいな内容ではなく、どちらかと言うと著者のお金の価値観が書かれた本です。

この本を読んでいると著者の稼ぎっぷりに腹が立つかもしれません。また、著者の仕事方法を真似できる人は限られそうです。

前提として、著者はどのような生き方も否定していないので、読む側としては「稼いでいる作家のお金の話でも聞いてみるか」くらいの軽い気持ちで読むのがちょうどいいです。

gao the book
gao the book

お金の話がメインですが、家族や子供のこと趣味の話など、森博嗣さんの人生を丸々書いています。

新書「新版 お金の減らし方」の内容について

新書「新版 お金の減らし方」は全部で6章の構成。

  • お金とは何か?
  • お金を何に使うか?
  • お金を増やす方法
  • お金がないからできない?
  • 欲しいものを買うために
  • 欲しいものを知るために

章が分かれていますが、全体的には著者のお金に対する考え方が書かれています。

お金を得て欲しいものを買う。お金を使ってやりたかったことを実現する。そのために将来を見据えて計画して実行する。著者はさも当たり前のようにさらっと書いていますが、ここまで努力できるかと言うとなかなか難しそう。少なくとも僕は無理です。

その他にも、自身の仕事のこと、夫婦間のお金のルール、自分の子供たちのことなど。包み隠さず書かれています。

ちなみに、本の印税で20億円以上稼いでいるらしい…。書いた本は350冊以上。これでもかなり書くことをセーブしているらしいので本当にバケモノです。

新書「新版 お金の減らし方」の良かったところ

こうと決めたらやり切る

著者は大学院を卒業後、大学の教官(国家公務員)として働きながら、30代後半になって副業として小説を書くことにしたそうです。就職と同じタイミングで結婚したため、当時はお金に余裕がなかったらしい。

大学の勤務は1日16時間くらい。残業代は出ず(助教授になると出なくなる)。

土日関係なく毎日夜の10時に帰宅し、ご飯を食べてお風呂に入り就寝。二時間寝たら起きて、3時間を小説の執筆にあてた。そして少し寝てまた大学へ。

最初に書いた小説を出版社に持っていったところ、出版の話になり、その後も小説を書き続ける。結局、10年間は大学で教官の仕事をしつつ、小説を書くという生活をする。

こんな生活を休みなく毎日!?。森博嗣さん本人も「若かったからできたこと」と書いています。

確か他のエッセイでも書いていましたが、「将来を見据えてやることを決めたら、あとはただやるだけ」。まあ、そりゃそうなんですけど、このやり切るパワーがえげつない。

大学を辞めた後は、今度は逆に1日に1時間だけ執筆活動に充てています。最初の小説だけでも印税が1億を超えてたらしいので、この頃にはお金については全く困っていなかったかと。
インタビューや取材、講演の依頼は断り、一応「引退」という名のもと、執筆活動は続けています。

僕は当時、引退という話を聞いていたので残念な気持ちでいましたが、本は休みなく出版されていて、「おいおい、どこが引退なんだ!?」と思っていたら、こういう理由だったんですね。

とにかく執筆依頼があれば書くし、それがまた売れるので、どんどん印税が雪だるま式に増えていきます。

お金を増やす方法

お金を増やす方法がいくつか紹介されています。

その中でも、普通に仕事することが最もリスクが少なく確実に稼げる方法とのこと。

できれば手に職をつけること。勉強や研究をすることは楽しいものではないがお金を稼げる。親が教育熱心になるのも頷ける。なぜなら最も堅実でリスクが低く賢い方法だから。

うまい話は落とし穴

お金を増やす方法を教えます!という内容の情報商材を販売している人いますよね。経歴も立派でSNSのフォロワーも異様に多い。(経歴は嘘もつけるし、フォロワーも買えます)

成功してお金を増やした経験を持っている人が、講演会などでお金を稼ぐ。お金をすでにたくさん持っている人が今更そんな細かいお金をどうして必要とするのか?。それはもうその方法で稼ぐことが難しくなってきたから、その方法を伝授してお金にするため。

うまい話があったら怪しむことが大事。

著者もこう書いています。

その程度の基本的な理屈がわからないようでは、お金を増やすことはできないだろう。

新版 お金の減らし方

投資

投資に関して。

好景気の時は株は儲かった。社会がそれだけ豊かだったことが理由だが、今は簡単ではない。難しい時代ほど、なぜか投資の勧誘が増える不思議。これも同じでもう自分では儲からないから人を勧誘している。

ギャンブル

ギャンブルについては、やはりリスクが大きいのがネックと書かれています。

宝くじに関しては、ギャンブルに携わる人たちが大勢いて、これら全員を養う必要がある。また、売上の一部は公共団体に入る仕組みなので、大勢の人件費と公共団体の収益になる。残った金額をギャンブルの勝者で配分している。基本的に「場」が設ける仕組み。

場が食べるから「バクチ」という説もあるとか。

こういう話を聞くと宝くじを購入するのもバカらしくなります。

何より著者のように稼いでいると、宝くじで1億円が当たることよりも、小説を書いた方が稼げるので、そりゃもうギャンブルなんてやらない。

他にも唯一親から言われた「借金をしない」話などなど。色々とお金を減らす方法が書かれています。その逆をやれば良いと。

他人の評価ではなく、自分だけの価値基準を持つこと

この本ではお金のこと以外にも、自分の価値基準をきちんと持つことが重要だと書いています。

誰かに見せるため自慢するためではなく、誰が見ていなくても自分が楽しめるもの、買いたくなるものを買う。それが本来自分が持っている物や事の価値。

高価な値段のついた商品、食べ物は他者の評価によるもの。安くても自分が好きだから(欲しいから)食べる・買う、という他者の評価に影響されない価値基準を保つことが大事。

将来の夢について

お金で買えないものは「他人の承認や評価が必要なもの」。作家になる、アイドルになる、家族を持つなどは、自分だけの力ではどうにもできない場合が多い。

できるかぎり、他者に依存しないものを、自分の人生の目標とすることを、是非おすすめしたい。これは、多くの人にとって、非常に難しい条件かもしれないが、本来それが本当の夢というものである、と僕は考えている。

新版 お金の減らし方

意外だったこと

著者の作品で「スカイクロラ」というシリーズがあるんですが、スカイクロラがアニメ映画になり、全く制作には関わっていないが、原作料がもらえたらしい。グッズなどでも印税が入ったとか。

そしてアニメの影響で原作小説も売れ1億円をこえる印税収入に。

作家の伊坂幸太郎さんが作品が映画化しても著者にはお金が入らない、みたいなことをエッセイで書いていたような記憶があって(読み間違えてただけかも知れません)、それは悲しいなと思い込んでいたんですが、上記のように森博嗣さんの話では原作料というものが支払われるみたいです。とにかくそれはよかった。

まとめ

個人的に一番刺さった言葉はこれです↓

食べることがせめてもの楽しみだ、という方は、そういう人生を貫かれればけっこうだと思う。だが、どうしても実現したいものがあるなら、この程度の犠牲は、まっさきに差し出すべきではないだろうか。
切り詰められるものは、ほかにも沢山あるだろう。とにかく、このような苦労をして、自分のやりたいことを実現したという話は、非常に多い。できる人とできない人の二種類があるとは思えない。ようは、やりたいという気持ちの強さの違いだろう。

新版 お金の減らし方

睡眠時間を削ったり、スマホを眺めている時間をやめて、やりたいことの実現に向けて努力する。そういう覚悟が自分には足りていない ^^;

人はなりたいものになる。という言葉はかなり的を得ていると思っています。僕の場合は理想像があるにはあるけれど、今の瞬間的な快楽を差し出してまでは叶えたくない、という気持ちの方が強い。本気でそうなりたいと思っていないから、今のままでもいいや、と思っているから、人はなりたいものになっているとも言えるんだろうなと。

実は他にもたくさん紹介したい内容があるんですがキリがないですし、短くまとめた方がこの記事も読まれるだろうという気もするので、かなり省いています。

気になった方はぜひ本を手に取ってみてください。

コメント