キャロライン・アダムス・ミラーさんの自己啓発本「実践版GRIT(グリット) やり抜く力を手に入れる」の感想記事です。
非常にボリュームたっぷりの本で、7ヶ月くらいかけてやっと読み終わりました。
2018年2月発行。
本の読み放題サブスク「Kindle Unlimited キンドルアンリミテッド」で読みました。
著者のキャロライン・アダムス・ミラーさんはアメリカでコーチの仕事をしている方とのこと。
教えることについての専門家が書いた自己啓発本です。
今からでももちろん遅くはないと思いますが、個人的には若かりし頃に読んでいれば、随分役立つ考え方だったと思います。
もし、自分に子供がいたら、この本で書かれていることを是非とも教えてあげたい。非常に健全で有益なことが書かれていました。
この本の内容を簡単にまとめると
この本の内容を簡単にまとめると「長く耐え忍んで努力して何かを成し得ると、その後もどんな場面でも成功を収めやすい」ということ。
いかに自分をコントロールできるか、自制心の強さが非常に重要ということが書かれています。
簡単にまとめてしまうとどこにでもある言葉ですが、実際に著者がコーチングをして得た経験や、一流のアスリート、事業の成功者の話が書かれていて説得力があります。
しかも、その実証数が圧倒的で説得力があります。
良かったところ
個人的に良かった部分を引用します。
忍耐努力の大切さについて
目標に向かって頑張って手の届く範囲まできたのに、あと一歩のところで達成できなかった経験は、脳の報酬系を活性化すると言うことが研究で明らかになっている。「七転び八起き」ということわざが的を得ていることは、多くの研究で証明されている
GRIT やり抜く力を手に入れる
成功する人たちは「上手にもがく」ことに長けている
GRIT やり抜く力を手に入れる
困難に直面しても注意力や落ち着き、あるいは情熱を失わず、懸命に努力して乗り越える
ゆとり教育はこの本を読むと失敗だったんだなと改めて思いました。
1980年〜2000年頃に生まれた「ミレニアル世代」は、できる限り優しく褒めそやして育てられた。子供の主体性や自尊心を高めることを目的としていたが、結果的にはあらゆる面で失敗に終わった。
GRIT やり抜く力を手に入れる
快適な生活にどっぷりと漬かり、一時しのぎで物事をやり過ごすことに慣れてしまった。チャレンジを恐れ、リスクを避けることを学びながら育った。
自己コントロール能力はどこかへ行ってしまった。
「あなたは賢い」「あなたはすごい子だ」「あなたの才能を持ってすれば当然の結果ね」という褒め方をされて育った子供は、うまくできそうにないことを避けるようになる。自分が特別であるというイメージを崩したくないため。
GRIT やり抜く力を手に入れる
楽しいことがない、人生はもうだいたい見えてきた、そういう考えをよくするようになったなあ。
私たちは歳を取るにつれて、冒険的なことをしたりリスクを冒したりすることが難しくなる。うつや倦怠感で悩む人が中年期に多いのはそのためではないだろうか。
GRIT やり抜く力を手に入れる
コンフォートゾーン(快適な空間)から出て、困難なことに挑戦したことがないのが原因。
人生に燃え尽き、どんなことにも情熱を持つことがなく空虚感に苛まれている人もいる。情熱よりも安定という道を選び、人生の早いうちからたったひとつの決まったレールの上を歩んで来ている場合がある。
GRIT やり抜く力を手に入れる
何かを発信するという行動は良いことなのかもしれない。
目標を書き出すことで目標へのコミットメントが高まることは、科学的に証明されている。目標を書くというのには、ウェブサイトやブログに投稿することで目標を公言することや、「行動契約」を作ること、日記を書くことも含まれる。
GRIT やり抜く力を手に入れる
私たちは、誰かに何かを与える行為をすると「ヘルパーズハイ」と呼ばれる感覚を抱くことがある。他者に何かを与えるとき、与えられた側よりも与えた側の方が、実は得るものが多いということが数々の研究で示されている。
GRIT やり抜く力を手に入れる
結果を急ぎすぎる人たちが増えたのかな?かく言う僕もその一人。
幼少期に満足を先延ばしにできた人たちは、離婚率が低く、終身雇用率が高く、そして幸福度も高いこということが示された。
GRIT やり抜く力を手に入れる
「すぐ」と言う言葉に対して期待するスピードが、どんどん速くなっている。
GRIT やり抜く力を手に入れる
即時性の追求が強くなり、現代のアメリカ人の貯蓄額は今までで最も少ない。「今の私たちは、もはや長い目で見るという考え方ができなくなっている」
若者の自殺は年々増加しているが、多くの心理学者は、満足や解決策が即座に得られるのが当たり前になったことに一因があると考えている。忍耐を知らない若者たちは、つらい感情は永遠に続くように感じられるのだ。
GRIT やり抜く力を手に入れる
努力が報われて結果が出るてくるまでには何年も待つ必要がある。
GRIT やり抜く力を手に入れる
気になった部分が多かったので、ついついたくさん引用してしまいました。
実は他にもたくさんりましたが、特に気になったものを引用させていただきました。
仕事にも応用できる考えかも
僕は個人で仕事をしていて、自然と「フロー」と「ストック」という2種類の仕事の仕方について考えるようになりました。(個人で仕事をしている方は誰もが考えていると思います)
フローはいわゆる一般的な仕事。クライアントから依頼をいただいてする仕事です。
ストックはまず何か価値を作って、その価値を購入したい人が買うという仕事です。例えばブログや、小説を書くような作家さん、絵や写真の素材を販売するストックフォトやストックイラストも名前の通り。ノウハウや情報商材を売ったりとかもストック的な仕事ですね。
ストックの仕事は「利益を先延ばしにする」と捉えると、今回のGRITの考え方にも似ている感じがします。
もちろんストックもフローもどちらも大事なので同時にやっていけばよさそうです。
マシュマロ実験
マシュマロ実験というものがあるらしい。
子供に一つのマシュマロをあげて、もし15分我慢できたらもう一つあげるという実験。我慢できた子供は自制心が強く、その後の人生でも長期的に成功しやすいという話。
この実験を知って自分の子供の頃を思い出しました。
兄はお年玉を全部貯金していて、ここぞという時に使っていました(車を一括で購入)。僕はと言えば、お年玉は漫画やCDを購入して高校を卒業する頃にはほとんど無くなっていました。現在、兄は計画的に貯金をして無理のない返済計画でマイホームを建てています。僕はといえばいつもお金に困っています。
まとめ
自己啓発本というジャンルの中ではかなりボリュームたっぷりの一冊でした。
満足を先延ばしにすることで得られる効果は計り知れないものがあるらしいです。
成功している人を見るとやはりほとんどの人はこういう思考、やり方で成功を掴んでいるのかもなあ。
自己啓発本を読んでいるだけで、なんだか世間的には馬鹿にされそうな雰囲気はありますが、中には良い本もあります。個人的には自己啓発本の中でもおすすめの一冊です。
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