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短編ホラー小説集「人怖3 人を恐怖で染める日常の狂乱」奇妙で怖い

短編ホラー小説集「人怖3 人を恐怖で染める日常の狂乱」奇妙で怖い ホラー
この記事は約5分で読めます。

村田らむさん著「人怖3 人を恐怖で染める日常の狂乱」の感想・解説・考察を書きます。

Amazon.co.jp: 人怖3人を恐怖で染める日常の狂乱 eBook : 村田らむ: Kindleストア
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2024年10月発行。

この作品は本のサブスクKindle Unlimited(キンドルアンリミテッド)で読みました。

幽霊よりも人の方が怖いという話をよく聞きます。そんな実話のヒトコワを集めた一冊。

1つの話が短いので時間が空いた時に気軽に読めます。

gao the book
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シリーズ第3段ですが1段目はまだ読んでいないのでまた機会があれば読もうと思います。

ヒトコワホラー小説「人怖3 人を恐怖で染める日常の狂乱」について

「人怖3 人を恐怖で染める日常の狂乱」は著者の村田らむさんが経験した話、取材して人から聞いた話が収められています。

中盤から会談師の方の実話、ホラー系YouTuberの方の実話が収録されています。

奇妙で怖い話ばかりで、基本的には投げっぱなしなのでオチはありません。オチが無いほうがむしろリアリティがありますね。

人怖3で面白かった話、興味深かった話

人怖3の中で個人的に興味深かった話をご紹介します。内容を書いているので紹介した話はネタバレしています。

囲われた女

編集部に風俗の取材に行ってくるように頼まれた著者。

取材する女性がいる風俗店のその部屋は学校の体育館の倉庫を模した部屋だった。

跳び箱やマットがあり、ベッドやお風呂もついていた。

随分と若い女性が部屋の隅にいてその場所で取材をした。

家族との折り合いが悪く家出して、この部屋で生活をしているらしい。生活必需品は跳び箱の中に隠している。

お客が来ることはほとんどなく、従業員を相手にする日々。しかも研修期間で無給。

地獄のような話に絶句する著者。

風俗で働く女性の中にはホストクラブでお金を貢ぎすぎて借金だらけになった人や、シングルマザーで子供をお店に預けながら働いている人もいるらしい。

いくら取材が仕事とはいえ、聞いているだけでもメンタルがやられる…。

二世帯住宅

著者の村田ラムさんは取材のために二年間ほど清掃会社で働いていたことがある。

物書きとして物語を書くために、実際にそこで何週間も生活したり、現場の仕事をしたりするそうですが、このプロ魂がすごい。

勤めていたのは普通の清掃会社ではなく、特殊清掃を主に請け負う会社だった。

人が死んだ物件を清掃する仕事。

この話は二世帯住宅の2階にある夫の遺体の清掃をする話。老婆が遺体に全く気づかずに死後二ヶ月経過していた。玄関に入っただけですごい匂いなのになぜ気づかない?という怖さ。

それとは別に特殊清掃業界は悪徳業者の巣窟、という話が興味深かった。

清掃を依頼する側は基本的にその部屋を見ることは少なく、ほぼノータッチで仕事を依頼し、作業中も清掃スタッフしかいない状態になる。

部屋にはお金や価値のある物がある場合もあるし、人の情報ですらお金になるらしい。

特殊清掃会社を探す時は、市役所に紹介されるところを探したり、できるだけ吟味した方が良さそうですね。

最近ニュースになっていましたが、焼却炉で遺体を焼却せずに臓器を他の国に売り捌く中国の会社もあるらしい。

なんだかおぞましい世の中になってきました。

寝言

著者が取材した女性の話。

高身長で稼ぎも良い男性と付き合っていて結婚を見据えて同棲を始めた。

ある日、その男性の横で寝ていると、大声で寝言を言っていた。

その言葉は日本語ではなく何語なのかもわからない。

大声で怒るようなどこの国かわからない寝言。

いやーこれはマジで怖いかも。

ネイルサロン

この話は漫画家の凸ノ高秀さんのヒトコワ。

自身でネットラジオをしていて、そこでリスナーから送られた話。

リスナーの友人はネイルサロンをしていてそのお客が不気味だったと言う。

そのお客は臨月の妊婦で、施術中に持参したDVDをかけて欲しいとお願いしてきた。

施術する側はモニターが見えなかったが、不気味な音が聞こえて振り返って画面を見ると、小動物が虐待されている映像だった。

パニックになったネイルサロンの女性はなんとか堪えて施術を終わらせたが、そのお客は帰り際に自分のお腹に拳を叩き込む。大きな音と共にお腹が破裂した。大きな風船を入れていたらしい。

不可解すぎるでしょ…。

その他もろもろ

他にも

善意で家に泊めあげた老婆が実は宗教団体の教祖で、家が乗っ取られる話。

昭和のはじめに起こった「首無し遺体」の事件について取材をしていると、その村の人々がやたらと首無しの話題に敏感だった話。取材した人は村民に追いかけられる。随分と昔の話なのに…。

などなど、

他にも面白くて刺激的なヒトコワがたくさんありました。

まとめ

この小説で語られる物語はどれも普通に暮らしているとあまり見る機会がない話が多いと思います。

いわゆるアンダーグラウンドな世界の話。

著者の村田らむさんはあえてその世界に身を投じて、時にはその界隈の仕事をしたり、時には西成のドヤ街で生活してみたり、自分で経験したことを書いています。

普通の人生では体験できないことをいくつも経験するという人生は、それはそれで非常に楽しそうだなあと思ったりしました。

人気シリーズのようですので第四段も期待しています。

Kindle Unlimited

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