乙一さんのホラー小説「シライサン」の感想記事です。
呪いの連鎖が止まりません。
2019年11月発行。
本の読み放題サブスク「Kindle Unlimited キンドルアンリミテッド」で読みました。
個人的には実写の映画版もおすすめです。
簡単なあらすじ
とある怪談を聞くと、シライサンという異様に目の大きな女が追いかけてくる。
シライサンは会談を聞いた本人しか見えない存在で、捕まってしまうと目を破裂させられて心臓発作で殺されます。いやいや、怖いっす。
主人公の周りの人たちが次々と目が破裂して亡くなる怪現象に遭い、その謎を追う物語です。
シライサンという謎の女性に追いかけられる恐怖がたまりません。
呪いそのものよりも、人間の本能として「追いかけられる恐怖」を強調した作品だと個人的には感じました。
リングに似てる?
呪いの連鎖といえば、やはり貞子を思い出してしまいます。物語のベースになる部分はリングにちょっとだけ似ています。
怪談を聞いた人間が呪い殺されるけれど、この小説ではその怪談が拡散されていきます。恐怖の連鎖!
シンプル
話が分かりやすくてホラーとして非常に楽しめました。
実写の映画もあるので映画を見るのもおすすめです。
個人的には実写版の映画好きです。
飯豊まりえさんという女優の方が可愛いかった。
気になった部分を引用
人の死と呪いについての話が興味深い。
特に呪いに関しては日本でも昔から戦の時に使っていたとか。マジっすか。
「大事な人が死ぬと、ひとつだけ、いいことがある。何かわかるか?」
シライサン
「いいこと?あるわけないでしょ、そんなの」
「あのな、死ぬのが、怖くなくなるんだ。あいつも、死の恐怖を乗り越えて、あの世にいるんだって思うとな、なんか、死を、受け入れられるんだよなあ」
調伏とは仏教用語である。祈祷によって悪魔や怨敵を下す場合に使う。シンプルな表現をするなら、調伏とは、相手を呪い殺すことである。
シライサン
古来、日本は大きな騒動が起きると、祈祷により調伏を行ってきたという歴史がある。承平天慶の乱や、元寇といった反乱や侵略が有名な例だ。朝廷は鎮定のための調伏を各地の社寺に命じている。
何年経っても言葉は人の中に残り続ける。良い言葉は良い影響を与えるだろうし、悪い言葉は悪い影響を与え続ける。前者はその人にとって祝福となるだろう。後者はその人にとって呪いになるだろう。
シライサン
一応、シライサンの意味も最後にちょっとだけなんとなくわかります。ですが、個人的にはかなり謎が残りました。
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