森博嗣さんのミステリー小説「冷たい密室と博士たち」をAudible(オーディブル)で聴きました。
初版は1997年。20年くらい前に紙の本で1度読んでいましたが、オーディブルに登録されていたので、再度読んで(聴いて)みました。オーディブルの良い所はサブスクで聴ける本のラインナップが素晴らしい点。新しめの作品や話題作が結構聴けます。今回のシリーズも全て聴けるのが嬉しい。
ナレーションは池添朋文さん。
建築学助教授の犀川と、生徒の西之園萌絵が繰り広げる理系ミステリーシリーズ。2つ目の作品。
1つ目の作品「すべてがFになる」もオーディブルで聴けますが、本で5回くらい読んでいるので、さすがにオーディブルでの視聴は控えて、2作目のこの作品から聴くことにしました。
1作目に比べるとスケールが小さくなりますが、かなり正統なミステリー小説という印象です。
大学の実験室で起きる密室ミステリー。このシリーズは長編なので読み応えがあります。
「冷たい密室と博士たち」のざっくりあらすじ
N大学の極地研究センターの実験室で起こる密室殺人事件。
大学のコンパ(飲み会)に呼ばれた犀川と西之園萌絵が、コンパの最中に起こった殺人現場に遭遇してしまう。
最後は犀川がいつものように謎を解いていく。
1作目のように敵対する天才がいないけれど、犀川の内なるもう一人の天才が暴れて謎を解明する。
このシリーズは全部で10作品あって紙の本で一度読んでいますが、どれもいいですね。
「冷たい密室と博士たち」の読みどころ(聴きどころ)
登場人物について個人的なハイライト
主人公犀川の親友である喜多助教授が登場。学生時代からの古い友人、同級生。イケメンで頭が切れる人物。
「喜嶋先生の静かな世界」という作品があるんですが、この作品の喜嶋先生と喜多助教授を勘違いしていました。(随分前に読みましたがこちらも非常に面白い作品でした)
それから、犀川の助手である国枝桃子のエピソードも今作の見どころ。
極地研の木熊教授の助手である市ノ瀬という優秀な女性が登場しますが、犀川の助手の国枝との対比も面白い。
ナレーションが渋い
オーディブルは読書と違ってナレーションも一つのポイント。
池添朋文さんがナレーションをしていて、渋い声でかっこいい。犀川&萌絵のシリーズは全て池添さんがナレーションをしているようです。
非常に渋い声で登場人物によって声色を使い分けていてさすがプロ。ですが、女性キャラとのギャップが凄くて、おそらく誰もが最初は笑ってしまうと思います。途中から慣れて来ますが。
池添さん本人も笑ってるんじゃないかな。ナレーション楽しんでそう。
まとめ
僕は残念ながら勉強が苦手でちゃんとした大学には入れませんでした。
優秀な人が入る大学、そこでの生徒たちの思考や生活がどんなものなのか想像しにくかったですが、このシリーズを読むことで、頭のいい人たちの大学生活や思考がちょっと垣間見えたように思います。
学生時代は人生の中で、若くて自由もあって楽しい時期だから、ずっとこの生活が続けばいいのにと思うけれど現実はそうはいかない。
空想ではあるけれど、そんな楽しい物語の世界に浸りたいがために、この小説を読んでいるようにも思います。
27年も前の作品ですが、内容としてはそこまで時代を感じません。ただ、フロッピーやMOが登場するのでそういう場面は懐かしさがあります。
ミステリー小説好きの方におすすめです。
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